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脱ステロイド教という名のカルトについて
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【問】 脱ステロイドを否定されても、実際に脱ステロイドで綺麗な肌になった人を見ると心が動かされま
す。 本当に脱ステロイドは治療ではないのでしょうか?
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【答】 脱ステロイドは少なくともアトピー性皮膚炎の治療法ではありません。
おそらく脱ステロイドと云う自殺行為がなくならない最大の理由は貴方がおっしゃる通り、実際に脱ス
テロイドでアトピーが治ったと証言する人の存在だと思います。 活発なアトピー性皮膚炎が発症してい
るにも拘わらず、その症状を抑えていた薬の使用を突然に中止すれば悪化しこそすれ治る道理があり
ません。
ただ、アトピー性皮膚炎に見えてアトピー性じゃない皮膚炎の場合、アトピーを抑える薬は意味が無
いです。 特にその皮膚炎がステロイド外用剤が原因になっているなら尚更です。
といいますのも、実はステロイド外用剤の使用によって生じる皮膚炎もあるのです。 「ステロイド皮膚
症」と言い、長期間にステロイド外用剤を連用し続けるとアトピー性皮膚炎に非常に良く似た皮膚炎を
発症するのです。 風邪を引いて体がダルいので感冒薬長く飲み続けたら、風邪が治っても体がダル
いのと似ていますね。
ただ、厄介な事にこのステロイド皮膚症は専門医でも見紛う程アトピー性皮膚炎に酷似しています。
しかも、更に厄介な事にこのステロイド皮膚症の患者がステロイドの使用を中止した場合にも、リバウ
ンドに似た症状の悪化が起こるのです。 もちろんステロイド皮膚症の擬似リバウンド現象は、アトピー
のリバウンドよりも症状が軽く(といっても常人の想像を越えた苦しみ)、数ヶ月で軽減し快方へ向かい
ます。
患者と担当医が以上の過程を、「アトピー性皮膚炎→脱ステロイドに因るリバウンド→皮膚炎の完
治」と捉えても不思議ではありません。 そして其処に「アトピー性皮膚炎は脱ステロイドで治る」と云う
誤解が生じます。 アトピー性皮膚炎が治ったのではなく、ステロイド皮膚症が治ったのです。
なお、脱ステロイド自体はアトピー性皮膚炎の治療ではありませんが、脱ステロイドに伴う環境の変
化でアトピーが快方に向う事があります。 アトピービジネスの人達は「アトピー=IgE抗体」の図式に拘
りますが、アレルギー反応はアトピーが発症する要因の一因子に過ぎません。 厳格な父親の下で育
った娘が出産後の里帰りでアトピーを発症したり、キツイ上司に巡り合ってアトピーが重症化したりする
などストレスも看過出来ない一因子です。
脱ステロイドに因るリバウンドは、社会生活を営めない程症状が重症化しますから、社会から隔絶し
た生活を送る事によってストレスの原因が取り除かれ、リバウンド終了後一時的に症状が消える事も
あり得るのです。 もちろん、この場合、社会生活に復帰すればストレスと再会しますので、アトピーが
再発する事になります。 脱ステロイド体験者の中に、一旦良くなったのにしばらくしてまた再発する人
が多いのは、そういうカラクリなのです。 特に温泉地にて温泉治療をする場合、住処が穏やかで閑静
な田舎になりますのでストレスが緩和され、リバウンド終了後著しく軽症化する人が少なくないようで
す。
もちろん、都会へ戻れば元の木阿弥ですが、社会人の場合、長期間に休業は任意退職と同じ意味で
すので、治療後は会社が変わるなど環境に著しい変化が起こるでしょう。
その変化によって元のストレスが取り除かれた場合には、アトピーが再発しない事もあり得ます。
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