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オイル及びオイル添加剤

【添加剤】 〔3〕 オイル添加剤って何が良いの?
【問】 オイル添加剤って何が良いの?
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【答】★文中において、用品店などで入手できるオイル添加剤は「市販の添加剤」また 「後足しの添加剤」と称しています。  これは、オイルメーカーが製造段階で添加 している様々な成分(清浄剤/酸化防止安定剤/錆止め剤/増粘剤/油性剤/極 圧剤など)と混同しないための表現です。  オイルメーカーが製造段階で添加してい る様々な成分は「オイルに予め含まれている成分」と称して区別しております。  予 め御了承の上お読み下さいます様お願い申し上げます★

 別項の『市販のオイル添加剤って効果があるの?』を読んで、それでも尚、市販のオイル添加剤を使 用するのであれば止めません。
 存分におやり下さい。
 ってゆーか、私もネ♪  全く使わない訳じゃないんですよ。  なんたって怪しげな商品大好き人間 ですから(笑)。

 
 ↑特売で集めたオイル添加剤の買い置き(一部(笑))

 
 ↑マーチにスリック50を入れた際の記念写真

 ただ、対費用効果の点を考慮すれば、小壱万もする市販のオイル添加剤を定価近くで購入するのは 賢く無いでしょう。
 棚晒し品や箱傷み品の特売で1個5百〜千円程度なら購入しても間尺に合うと思われます(上の写 真の『スリック50』は千円でした♪)。

 その上でアドバイスするなら、
[1]固体潤滑剤入りは絶対にハイパワーエンジンに添加しない。
 これは固体潤滑剤がピストンリングの動きを阻害するからです。
 ピストンサイドの「棚」部分に強度がないとピストンが欠けることすらあります。

 また、ターボ車の場合、固体潤滑剤がタービンの高熱でスラッジ化する恐れが大です。

 ついでに言えば、ロータリーエンジンの場合、少量のオイルを直接燃焼室内に噴出して冷却と潤滑を 補助しています。
 このようなロータリーエンジンに固体潤滑剤を使うと燃焼室内に噴出されて燃焼した固体潤滑剤がス ラッジ化して堆積物となり、異常燃焼の引き金になりかねません。

[2]粘度を下げない物を選ぶ。
 少燃費を謳った添加剤の中には、非常に粘度が低く、混ざったオイルの粘度を下げてしまう物があり ます。
 これはオイルを低粘度化する事に拠ってフリクションロスを抑えて燃費向上を狙う物です。
 しかし、粘度が下がれば流体潤滑を維持する事は難しくなり、比較的低負荷・低回転から境界潤滑 へ移行し易くなります。
 その境界潤滑での焼き付きは、過剰な極圧剤で防ぐしかありません。
 数万キロの短い距離で問題が発生する可能性は低いのですが、余り気持ちの良い状態ではありま せんので避けましょう。

[3] 粘度を上げない物を選ぶ。
 過剰な極圧剤を含んだ『メタルコンディショナー』系以外の添加剤の中には、ポリマーなどで粘度を 向上させてコンプレッションを上げる物があります。
 ポリマー=悪
では無いのですが、安価なポリマーは粘度低下がビックリするくらい早く、100キロも走らない内に、折 角混ぜたオイルの粘度が元に戻ってしまう事さえあります。
 単に寿命が短いだけなら笑って済ませれるのですが、ポリマーが燃焼室に入って燃えるとスラッジ化 してしまいますので、異常燃焼の引き金になる恐れがあります。

 なお、余談ですがテフロンなどの固体潤滑剤をエンジンオイルに混入するとコンプレッションが上がり ます。
 これを「テフロンが金属表面を改質した」と誤解してしまいがちなのですが、そうではありません。
 溶けない微粒粉末が液体に混入すると見かけ上の粘度が上がるという現象が起こります。
 その所為でコンプレッションが上がっているのです。
 極端な話、鉄粉でも炭の粉でも同じ現象が起こります。
 (鉄粉や炭の粉はダメージがデカイですけど)

[4] オイル交換の際に使用し、交換サイクルを早くする。
 オイルの仕事は何も潤滑だけではありません。
 冷却や防錆の他に、発生したスラッジを取り込んでエンジンを守る役割があります。
 固体潤滑剤は勿論、液体の成分でも、ベースオイルのスラッジなどを取り込む能力を埋めてしまう恐 れがあります。
 取り込まれなくなったスラッジは異物として摺動表面を疵付けますので、市販の添加剤をエンジンオイ ルに混入した場合は、パッケージの謳い文句は無視して早い目に次のオイルに交換して下さい。

[5] できればエンジンオイルへの添加は避ける。
 本音を言えばやはりエンジンオイルに混ぜ物をするのは気持ちの良くありません。
 上述の通り、エンジンオイルへの添加剤の使用は意外な程リスクを伴います。
 その点、ギアオイルに関して言えば、
 (1)ギアオイルは燃焼に因ってスラッジ化する恐れはありません。
 (2)ギアオイルはNOxや微細なスラッジの粉を取り込む必要がありません。
 ですから、とくに「エンジン専用」と書かれていない添加剤でしたら、デフやマニュアルトランスミッショ ンに使うのが無用な心配をしなくて済む分健康的(笑)です。

 ギアオイルの場合、基本的に冷却機構を持たないので、ちょっとした連続走行で比較的早期に流体 潤滑が維持しでき無くなります。
 特に擦れながら噛み合うハイポイドギアは摺動摩擦であることもあって、油温の上昇が凄まじいで す。
 150℃以上に達することも珍しくありません。
 そのためギアオイルに本来含まれている油性剤・極圧剤の負担が大きいのです。
 過度の反応で必要以上の合金皮膜を生成する事は、腐蝕磨耗を発生させている事に他成りません から、市販の添加剤を無条件で歓迎する事はできませんが、エンジンオイルに市販の添加剤を混入す る行為に比べればデメリットは少ないと思えます。
 
 また、マニュアルトランスミッションの場合、シンクロメッシュのスリーブの抵抗になるため高粘度のギ アオイルが使えません。
 擦れながら噛み合うハイポイドギアに比べるとギア歯の負担は軽いのですが、75W-85W程度の軟ら かいギアオイルでは、さほど高くない油温でも流体潤滑が維持できない恐れがあります。
 ですので、デフもマニュアルトランスミッションも少々硬い目のギアオイルを選択し、適切な市販の添 加剤を混入して本来あるべきギアオイルの硬さにして使用するのは、悪くない選択だと思います。
 とりわけマニュアルトランスミッションにおいては、市販の添加剤を混入する事に因って動粘度が下が るとシンクロメッシュが同調し易くなり、渋いシフトフィールが改善される事が有ります。
 シンクロの作動が思わしくない場合、根本的な治療はオーバーホールしかありませんが、自分でオー バーホール出来ない人には工賃の負担が大き過ぎます。
 今は腐食性の高い市販の添加剤でシンクロを回復させて使用し、のちにどうしようもなくなってからオ ーバーホールするというのは、それなりに賢明な策だと思います。
 それでオーバーホール時の交換部品が増えても、どうせ工賃の方が高いのですし、上手く行けば、手 放すまで市販の添加剤だけで凌げる可能性もあるのですから。

[6] ドリフト仕様の機械式LSDへの添加は避ける。
 機械式LSDを装着したディファレンシャルへ市販の添加剤を混入させると、機械式LSDのプレートと フリクション材の摺動面に、市販の添加剤が付着します。
 ベアリング効果を発揮してしまう固体潤滑剤は元より、強過ぎる油性剤や極圧剤は摩擦力を低下さ せてしまいます。
 [プレートとフリクション材の摩擦力の低下] ≒ [機械式LSDの効きの低下] です。
 ドリフトに興じる場合などで、高いロック率を期待する人は、機械式LSDを装着したディファレンシャ ルへ市販の添加剤を混入するのは止めておきましょう。

 なお、市販の添加剤の中には、機械式LSDを装着したディファレンシャルへの添加を推奨している物 もあります(主に有機モリブデン系)。
 これは機械式LSDのプレートとフリクション材の摺動面に、余り摩擦係数の低くない固体潤滑剤が適 量付着していると、多板クラッチの半クラッチがスムーズになる現象を期待したものです。
 ロック率は確実に低下しますので、ターマックでドリフトさせる様な使い方には向きません。
 どちらかといえば、イニシャルトルクを下げて、トラクション効率を重視するセッティング向きです。

 逆に言えば、トラクション効率を重視するセッティングなら、機械式LSDを装着したディファレンシャル へ市販の添加剤を混入させるのは悪く無いと思います。
 というのも、上述の通り、只でさえハイポイドギアのギアオイルは著しく油温が上がります。
 機械式LSDを装着していると、これに多板クラッチの摩擦熱が加わりますので、油温がトンデモナイ 温度になってしまう事が多々あります。
 150℃160℃は当たり前、ベースオイルが分解しかねない180℃以上にさえ到達し得ります。
 高温特性を重視した高価なギアオイルで無いと、ベースオイルが分解して機能しなくなり、ギアが焼け 付くこともあります。
 その対策として、市販の添加剤を(ベースオイルが分解した後の)最後の砦として混入して置くのも悪 くは無いでしょう。
 ただし、潤滑を、「焼き付きさえしなければ良い」と捉えるので無ければ、市販の添加剤で誤魔化すの ではなく、やはり高温特性を重視した高価なギアオイルを使うべきだと思いますがね。


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