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クルマ雑学
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【問】聞くところに拠ると、日本の自動車のエンジンやトランスミッションなどの重要部品は、基本的に1０
万km保証なのでメンテナンスは最小限で構わないそうですね。
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【答】まさかとは思いますが、メーカー保証の修理が「新品交換」とお考えでしょうか？
たとえば、オイル交換をサボってカムが焼き付いたとしましょう（って、それはウチの社用車の話なんですけ
ど）。
走行距離が10万キロ未満、かつ、新車登録以降5年未満ならメーカーの保証で無償修理してもらえま
す（ウチの社用車の場合は期間が過ぎていて駄目でした）。
しかし、無料で新品のエンジンと乗せ変えてもらえるワケではありません。
無償修理してもらえるのは、あくまで壊れた箇所だけです。
カムが焼き付いたなら、ヘッドを分解して損傷した部品を替えるだけです。
潤滑不良でカムシャフトに故障が発生したなら、クランク周りなどにも、焼き付きまで至らないまでも、
相応の損傷を受けているハズです。 しかし、ヘッドをバラすのと腰下をバラすのとでは、掛かる手間
暇が一桁違います。 自動車メーカーは実際に物理的な支障が生じていない部分まで、「いずれ重篤
な事態に至るかも知れない」との悲観的観測に基づいて、熟練技師ですら何時間も掛かる手間隙を掛
けて修繕し、完璧な状態にしてユーザーに返してくれるわけではありません。
あくまで、普通に動く状態に戻せば修理は完了なのです。
もちろん、その後にやがて訪れるであろう軸受けメタルの損傷などに対して、予め手を打っておくなん
てことはありません。
これは、家電の保証を考えれば分かることです。
高頻度な稼動率などに因り保障期間内に家電が壊れた場合、保証修理を持ち込まれた家電メーカ
ーが故障箇所以外の損耗箇所を無償修理してくれるでしょうか？
ビデオデッキの部品が損傷して保証修理した場合に、その部品以外の「長期使用で損耗する消耗部
品」が頼みもしないのに勝手に無償交換されて、ビデオデッキの寿命が格段に延びる…なんてことが
在り得るでしょうか？ 在り得ません。 たとえ、その時に故障直前まで損耗していた部品が存在し
ていたとしても、上手く保障期間終了まで壊れなければ、その後の有償修理はメーカーの儲けです。
大手家電量販店の長期保証も、保険会社などが間に入って成立しているリスクマネジメントであっ
て、メーカーが長期間保証に応じているワケではありません。
機械のメンテナンスというものは、将来起こるであろう故障を出来るだけ先延ばしにするために行うも
のです。 そして、同時にそれは、グッドコンディションを出来るだけ永く保つために行うものでもあり
ます。
もし貴方が、「壊れさえしなければイイ」「壊れても保障期間内ならメーカーが無償で直してくれるから
イイ」とだけ考えるなら、私は語るべき言葉を持ちません。
しかし、「壊れなくても、グッドコンディションでなければ嫌だ」「メーカーが直してくれても、不具合が潜
在するのは嫌だ」と考えるなら、壊れないギリギリ最小限に絞られたメンテナンスだけに留めるのはオ
ススメしません。
過剰なメンテナンスが資源の無駄で、地球環境に悪いって点は認めますけどね。
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