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ドライヴィング理論

ドラテクなんて練習して身に付けるもの。 理論なんて一銭の価値もない。  2007.07.07追補
【問】 ごたごた屁理屈を捏ね回して何の意味があるんですか? ドラテクなんて修練して身に付けるモ ノ。 机上の空論に意味があるとは思えません。
(原文はヒステリックなので、穏やかに書き直しました。 多いですね、こーゆー意見というか先入観。)
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 ま、そーゆー考えも悪くないでしょう。
 ドラテクの修練って、ある意味格闘技の修練に似ていますからね。 格闘技で技の掛け方を本で百回 読むよりも、上級者にゆっくりと技を一回掛けられる方が遥かに体得が早いのと同様に、雑誌のドラテ ク特集を百冊読むよりも、タイヤ1セットを煙に変えた方が上達するでしょう。

 しかし、理論を知っているのと知らないとでは、自分のやってることに対する認識に大きな差が生じま す。
 たとえば格闘技の場合、打撃に体重が乗る理屈が分かっていないと、膝が逃げたまま練習を延々繰 り返すことになってしまうでしょう。
 ドライビングも、どういう理屈でヨー角運動が加減速するのかが理解できていないと、アンダーステア 対策やオーバーステア対策が単なる辻褄合わせになってしまい、ニュートラルステアで曲がっているの に ちっとも速くないなんてことになってしまいます。

 反面教師として極めて有効な某漫画の序盤で、超絶テク(←この表現なんかヤラシイ♪)を持つ老獪 オヤジが、若い頃に様々な試行錯誤をした旨の発言をしていましたが、アレって要するに頭が悪いか ら遠回りしたってだけの話でしかありません。  そういうことを偉そうに説くのは、メチャ格好が悪いの ではいでしょうか?

 一個人が「理論なんて一銭の価値もない」と考えて練習に没頭し、紆余曲折の上でドラテクを身に付 けるなら、それはそれで無問題。
 ただし、その価値観を他人に押し付けるのは勘弁してもらいたい。

 だいいち、クルマ自体が既に自動車工学という理論の結晶なんですからね。  理論を馬鹿にするな ら、自動車工学抜きで造られたクルマに乗ってからにして欲しいですね(笑)。





2007.03.24追補

理論なぞ何の値打ちも無いpart2

【問】学説通りの理論が通用すればレース界でも何も問題は無いでしょう。 
全てのチームがルノー、フェラーリに成れ、全てのドライバーがアロンソ、ミハエルに成れるでしょう。
しかし現実にはそうでは有りません。
色々なファクターが理論以外に有るからです。
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【答】たとえコストと乗り心地を度外視したとしても、クルマの設計は全てが妥協点探しです。
 エンジンも然り、トランスミッションもデフも然り、サスペンションも然り、そしてドライバーの運転能力も 然りです。
 理論上も現実も完全に理想を満たすクルマは存在しません。

 それは、走る場所やシチュエーションを限定した速度競技でも同じです。

 ストレートの速度を重視しれば旋回速度が落ちる/旋回速度を重視すればストレートの速度が落ちる なんて話は当然で、タイヤの最大摩擦力を発揮するようにサスペンションをセットするのか/タイヤの発 熱を抑えピットインの回数を減らすようにサスペンションをセットするのか等々、さまざまな観点から、チ ームはよりレースが有利になる妥協点を探し続けるのです。
 その中には、もちろんドライバーの要素も含まれます。  ドライバーの能力の差から必然的にクルマ の方向性が限定されてきます。

 それは単に巧い/下手という次元の話ではなく、Aというドライバーはダントツに反射速度が優れる が、BというドライバーはAよりも判断力が的確である、あるいは、Aはアクセルコントロールが絶妙だが Bはブレーキコントロールが絶妙,Cはステアリング捌きが凄く巧いなど個性は様々です。

 だから、それぞれのドライバーにとって最良のセッティングがそれぞれ異なるのです。
 最良のセッティングが異なるのであれば、コースの何処を最速にするかも変わってきます。
 ストレートエンドのコーナーに絞るのか?九十九折りのセクションに絞るのか?高速コーナーに絞る のか?それとも中庸を狙うのか?
 コースの何処を最速にするのかが変われば、戦略も変わります。
 常勝のチームは、勝てるドライバーを雇い、勝てるドライバーの能力を引き出すマシンを創り、勝てる マシンで勝つための戦略を駆使して勝つのです。
 勝てるドライバーを雇っても、その能力に適したマシンを創れなくては勝てません。
 勝てるドライバーを雇って、勝てるドライバーの能力を引き出すマシンを創っても、勝つための戦略を 駆使できなくては勝てません。
 さらに言えば、勝てるドライバーを雇い、勝てるドライバーの能力を引き出すマシンを創り、勝てるマシ ンで勝つための戦略を駆使しても尚、運に恵まれなければ勝つことは出来ません。

 理論を超越するから勝つのではないのです。
 学説通りの理論が通用しないからレース界が勝者/敗者に分かれるのではありません。
 さまざまな試行錯誤の末に、それぞれのチームが選んだBESTの内、偶さかその日の運否天賦でラ ッキーだったチームが勝つのです。
 クルマに唯一無二の正答が存在するなら、同じチームが勝ったり負けたりすることはありません。

 理論は理論。  理論が通用してもベストセッティングは唯一ではないし、勝者も唯一ではない。  判 らないかな?それぐらいのこと。





2007.07.07 追補

テク、セッティングで限界速度は幾らでも変わる

【問】ドライバーの運転技術や車両の仕様(セッティング)次第で車の限界速度が変わってしまうので、 机上の力学理論で車の運動を考証することは意味が無い。
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【答】そら変わるよ〜。
 同じクルマを駆っても、圭坊とトップランキングのレーシングドライバーじゃラップタイムは天と地ほど 違うだろうし、ちゃんとセッティングされた足回りと、ノーマルから車高短にしただけの仕様じゃ性能は段 違いだ。

 でも、だからといってクルマの挙動を物理学で捉え、それを検証することに意味が無くなるワケじゃな い。

 理論と現実に幾許かの乖離があるのは、物理学だけじゃない。
 化学式に重力の項は無いが、地上と宇宙じゃ化学反応の結果は異なる。
 1G下でなければ精製できない化学物質もあるし、無重力下でなければ精製できない化学物質もあ る。
 だからといって重力項を持たない化学式が無意味だなんてことはない。

 現在の市販車が持つ「どんな運動オンチでも安全に安心して安定した走行性能」は、紛うことなく「理 想状態を前提とした運動力学」で考察されたサスペンション設計の恩恵だ。
 舗装路面・非舗装路面に於ける速度競技用車両のセッティングにしても然り。
 ヨー角運動が加減速する理屈も、サスペンションジオメトリの効果も、アライメント変化の予想も、コン プライアンスステアのメカニズムも分らないようでは、車高を1mm変えるだけでも試行錯誤だ。
 もちろん、N・SA・Bクラスのジムカーナや草レースのクルマなら調整できる箇所なんて高が知れてい るから、理論を抜きにして過去のノウハウだけで十分かも知れない。
 だけど、もっと上のクラスになったら理論抜きで勝てっこない。

 カテゴリに拠っては、サスペンションをイチから作り直すことだって許される。  五里霧中でそんなモ ノをどうやって設計しろと言うのか?

 「現場のメカニックが自動車工学を語らないから、セッティングの現場に自動車工学は必要ない」とい うのはトンだ誤認である。
 「セッティングに自動車工学の必要がないから語らない」ワケではない。
 感性で走るドライバー相手に「自動車工学の説明が通じないから」仕方なく感覚的なやりとりだけで、 実際にクルマに起こっている物理現象を推測してセッティングしているだけだ。

 野球に喩えるなら、打球が外野席まで飛ぶ理屈が「分っている選手」と「分らない選手」両名がいた ら、前者と後者でアドバイスの内容は変わる。 そういうことだ。

 自分がドライバーとして、あるいは共同作業者としてピットに居て、メカニックから力学的な話を振られ なかったとしたら、それは単に「話しても分りそうに無い」と判断されたから話されなかったダケだよ。
 最低限【山海堂 安部正人著「自動車の運動と制御」】くらいは完全に理解できていないと、マジモン のレーシングマシンのセッティングなんか出来ないよ。  何処からどう手を付けてイイのか分らないん だから。



 ついでだから書いておきますが、セッティングの方はともかく、「ドライバーのテクニックで限界速度が 変わる」という表現は正しくない。
 タイヤが生み出す限界は(路面状態や気温・湿度などの不確定要素を除外すれば)物理的に上限が決まる。
 「未熟なドライバーがその物理限界に達せない」ということは在っても、「超絶技術を持つドライバーが 物理限界を超える」ことはありえない。
 ドライバーの存在という項を持たない自動車工学(その項を持つ自動車工学もある)において、限界 速度といえばイコール物理限界だ。
 まず、物理限界を上げ、その上でドライバーの特性に応じた微調整をする。 これがセッティングの基 本。
 「ドライバー次第でクルマの限界速度が変わるからセッティングの現場に自動車工学なんか要らな い」なんてのは、愚考の極みである。

 「私は自動車工学が理解できません。 だからセッティングに物理学的な検証はできません。 でも、 経験と感性で結構なレベルまで仕上げる自信があります。」
 と言うなら、正直で良い。
 だが、「理解できない自分でも実践が出来るので、現場に自動車工学の知識は要らない」というのは 馬鹿丸出しである。
 それは「アインシュタインの相対性理論は間違っている。 何故なら物理学者の私に理解できないか らだ」と言っているDQN学者(驚くべきことに実在する)に等しい。


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