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アトピービジネスの間違いを暴け!

【ES-27】 身体の酸化を活性酸素の形成と捉えたら [ ES-27 ] はどういう扱いになるか?

 さて、前のページにて、

 > ここから『活性酸素』について説明を書こうとしたのですが、
 > どうしても話が冗長になってしまう上に、 [ ES-27 ] に関する説明の起承転結が
 > おかしくなってしまいました。
 > ですので、活性酸素の解説は次のページに譲ることにして、話を先へ進めます。

 とネタの先送りをしてしまいました。

 此処からは、その続き。 体の酸化が『活性酸素の増加』であったら [ ES-27 ] はどういう扱いになる のでしょうか。

 いいえ、その前に。

 大切な事を再確認しなければなりません。

 日本アトピー治療学会の主張は、

 > アレルゲンの大きな割合を占める酸化は食事や大気,化学物質から体内に取り込まれ
 > 体に蓄積されている

 でした。

 たしかに活性酸素の何割かは、過度のストレス,運動や化学物質・紫外線・放射線等からの被曝に よって発生します。

  └→ 出典:母のやさしさ コタサンテ「活性酸素が発生する原因」
         http://www.cotasante.co.jp/sod/genin.htm

 が、それはアレルゲンとはまた別の話です。

  > アレルゲンとは、アレルギー疾患を持っている人の抗体と特異的に反応する抗原のこと。

  > アレルゲンの主なものは以下のように分類される。
  >
  >  一般的アレルゲン
  >
  >   ・ 吸入性アレルゲン
  >     室内塵(ハウスダスト。ヒョウヒダニの虫体や糞などが主)
  >     皮屑(フケ。とくにイヌ、ネコなどのペットのフケなど)
  >     花粉(スギ花粉、ヤシャブシ花粉、イネ科花粉、キク科花粉など)
  >     真菌(カビのたぐい。とくにアルテルナリア)
  >     昆虫(ユスリカ、ゴキブリ等)
  >
  >   ・ 刺咬性アレルゲン(蜂に刺されるなど)
  >
  >   ・ 食餌性アレルゲン(大豆、卵、牛乳など)
  >
  >   ・ 薬剤性アレルゲン(注射・内服。ペニシリンなど)
  >
  >
  >  職業性アレルゲン(吸入または接触性)
  >
  >   ・ 動物の体成分・排泄物
  >
  >   ・ 植物性微細物質(小麦粉や木材加工の際の粉塵等)
  >
  >   ・ 薬剤(ペニシリンなど)

  > アレルゲンとなるのは上記のような物質中に含まれるタンパク質
  > または糖タンパクであることがほとんどで、それが人体を構成するタンパク質とは
  > 異質(異種タンパク質と呼ぶ)であるため、排除の原理が働いて抗体が産生され、
  > それによって過剰な免疫反応であるアレルギー症状を起こすと考えられている。
  > その意味では、体内に入っても異物として認識され得ないものは、
  > アレルゲンにもなり得ないと考えられている。
  > たとえば水や塩などは抗原にもアレルゲンにもなり得ない
  > (ハプテンになり得るものは除く)。

  └→ 出典:wikipedia「アレルゲン」
         http://ja.wikipedia.org/wiki/アレルゲン


 活性酸素がアレルギー性皮膚炎等を悪化させるのは、それがアレルゲンだからではなく、別の理由 に因ります。

  > 細菌やウイルスなどに感染すると、それらを体内から迅速に排除するため
  > 自然免疫システムという生体内防御機構が活性化する。
  > 自然免疫システムがひとたび病原体の感染を感知すると
  > 免疫応答に必須な炎症性サイトカインが産生され、生体内で炎症を引き起こす。
  > 一方で、なんらかの原因によりこれらの防御反応が異常に亢進すると、
  > アレルギーや自己免疫疾患の原因にもなる。
  > 病原体の感知には、細胞膜受容体であるTLRファミリーが
  > 重要な働きをしていることが知られているが、本研究では、このファミリーのうち、
  > TLR4という受容体の活性化に伴って特異的に活性酸素が産生され、
  > さらに活性酸素を介して、タンパク質リン酸化酵素であるASK1が活性化されることによって、
  > サイトカインが効率よく産生される仕組みを明らかにした。

  └→ 出典:科学技術振興機構報172号
         「活性酸素が炎症・アレルギー反応を活性化する新たな仕組みの発見」
         http://www.jst.go.jp/pr/info/info172/

 つまり、アレルゲンはハプテンに成る得る物を除けば、タンパク質または糖タンパクであることが殆ど であり、決して活性酸素がアレルゲンに成る訳ではありません。 ですから、仮に活性酸素を還元した 所でアレルゲンが消えて無くなる訳ではなく、アレルギー性皮膚炎の悪化要因を減らす事が出来るだ けです。
 「え♪ アレルギー性皮膚炎の悪化要因を減らす事が出来るの。 それって素敵な事なんじゃない の?」
 と仰られるかもしれませんが、活性酸素そのものは必要なんです。

 そもそも免疫細胞の一つであるマクロファージは、殺菌するために活性酸素を利用しています。

  → 参考URL
    がんばれ!マクロファージ君 がんばれ!マクロファージ君(pdf)
    http://www.torii.co.jp/health/lifescience/pdf/44_2.pdf

 さらに。

 下の方で解説しますが、超酸化物(superoxide)である活性酸素は、体内でスーパーオキシドディスム ターゼ(SOD)によって過酸化水素に代謝されます。 この過酸化水素を使って免疫がコントロールされ ているんです。

  → 参考URL
    生理学研究所・広報展開推進室
    「免疫を担う細胞『マクロファージ』が体温で活発になる仕組みを解明
    ―― 過酸化水素によって温度センサーTRPM2がスイッチ・オンする分子メカニズム ――」
    http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2012/04/-trpm2.html

 ですから、闇雲に活性酸素を中和してしまうのは、免疫学的に好ましくありません。

 では、活性化酸素に関しては、何をどうするするのが好ましいのでしょうか。

 一般に、老化を酸化で捉える際に、引き合いに出されるのは、活性酸素やフリーラジカルです。 反 応性の高いこれ等の物質が体内で化学反応を起こして遺伝子を傷付けて癌発症リスクを上げたり、細 胞膜の材料である不飽和脂肪酸を過酸化脂質に変えたりします。

 細胞膜の材料が酸化することで皮膚が損傷する → 還元すれば健康な肌に、というメカニズムは理 解できなくもありません。

 しかし、事はそう単純ではありません。

 たしかに、ミトコンドリアがエネルギー(ATP)を生産する際に発生する活性酸素は、超酸化物 (superoxide)ですが、超酸化物(superoxide)が直接、細胞膜の材料である不飽和脂肪酸を過酸化脂 質に変えているわけではありません。

 超酸化物(superoxide)は、体内でスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)により、過酸化水素に代謝 されます。

  テキストの装飾
  スーパーオキシドから過酸化水素へ
202- + 2H+ → O2 + 2H2O2


 過酸化水素は、細胞中の鉄イオンや銅イオンなどの触媒作用(金属イオンは、電子を供給する)で、 ヒドロキシルラジカルに変化します。

  テキストの装飾
  鉄イオン+過酸化水素
Fe2+ + H2O2 → Fe3+ + HO- + HO・ (フェントン反応)

  銅イオン+過酸化水素
Cu1+ + H2O2 → Cu2+ + HO- + HO・


 また、過酸化水素は、鉄イオン媒介ハイパー・ワイス反応によっても、ヒドロキシルラジカル(HO・)に 変化します。

  テキストの装飾
  鉄イオン媒介ハイパー・ワイス反応
O2- + H2O2 → HO・ + HO- + O2


 そして、このヒドロキシルラジカルが、細胞膜の材料である不飽和脂肪酸を過酸化脂質に変えるので す。

 しかも、この反応(ヒドロキシルラジカルが、細胞膜の材料である不飽和脂肪酸を過酸化脂質に変え る)は、連鎖的脂質過酸化反応です。 この連鎖を停める抗酸化ビタミンは、部位が脂肪質ならばビタ ミンEが最適です(水分が多い部位ならビタミンCが最適)。

  → 以上のソース

   脂質と血栓の医学「活性酸素」
   http://hobab.fc2web.com/sub2-kasseisanso.htm

   脂質と血栓の医学「連鎖的脂質過酸化反応」
   http://hobab.fc2web.com/sub2-rennsatekisisitsukasannkahannnou.htm


 さて、こうやって数十年ぶりに化学式とにらめっこした(いやまぁ他力本願でしたが)のですが、当然の 事ながら物質同士が電子のやり取りをして結合を組み替えているのであって、何処かからヒョンと電子 が飛び込んで来て酸化が還元されたり、物質からヒョンと電子が飛び出して酸化したりするワケではあ りません。

 つまり、たとえ [ ES-27 ] が還元物質だと仮定しても、各種活性酸素と化学反応を起こさなければ、 活性酸素を還元することは出来ません。
 そして、 [ ES-27 ] は、Si(珪素)とAl(アルミニウム),Zr(ジルコニウム)を焼結させたもの。

   → Methuselah “青き地球”との共生
    http://methuselah.jp/es27.html

 google検索で色々と試みましたが、Si(珪素)とAl(アルミニウム),Zr(ジルコニウム)のいずれも還元 剤として使われるような成分ではありません(肌に対しては勿論、金属の精錬でさえも使われることは ありません)。

 やはり、細胞膜の材料を過酸化脂質化するのを防ぐ目的で抗酸化剤を選ぶのであれば、目的部位 別で水分の多い場所にビタミンC、脂質の多い部位にビタミンEを用いるのが最適であると結論するこ とが出来そうです。





 なお、html構文に拠る化学式の表記は、以下のサイトを参考にしました。

 Web Frontier「スタイルシートで細かい化学式を作成してみよう」
 http://www.w-frontier.com/stylesheet/subsup.html



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