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脱ステロイド教という名のカルトについて

糖尿病患者のインスリン注射と、アトピー患者のステロイド外用剤は同じか?
【問】 「糖尿病患者がインスリン注射を始めたら、一生インスリン注射を続けなくてはならない」と聞き ました。
 ステロイド外用剤もそれと同じではないのですか?
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【答】 誰から聞いた話か存知ませんが、そのインスリン注射の例は間違っています。
 たしかに重症でない糖尿病患者はインスリン注射の開始を酷く嫌がります。
「一度インスリン注射を始めれば、リンゲルハンス島がインスリンの分泌を止めてしまうから、一生イン スリンを注射し続けなくてはならない体になってしまう」という説が蔓延しているからのようです。。
 しかし、これはとんでもない誤解です。
 糖尿の状態とはリンゲルハンス島からのインスリン分泌が足らない状態ですが、それは同時に、健 常な人よりもひ弱なリンゲルハンス島がフル稼働状態であることも意味します。
 食後の血糖値だけでなく、空腹時血糖までもが常時高い血糖値だとリンゲルハンス島は全く休む事 ができず疲弊していきます。
 そこで、インスリンを外部から与えてやる事に因り、リンゲルハンス島を休ませてあげるのです。
 1日の食事量に対してインスリンの必要量が仮に100とし、ある糖尿病患者のインスリン分泌量が2 4時間フル稼働で40だとした場合、インスリンを70注射してやれば、リンゲルハンス島は10だけ楽を することが出来ます。
 インスリンを100以上投与された場合のリンゲルハウス島は活動を休止してしまうかも知れません が、10だけ楽をしているリンゲルハウス島は最大分泌量が30に減ったりはしません。
 楽になった分だけ機能を回復します。
 こうすることで、インスリンの分泌量が増えて糖尿病の症状が緩和することがあります。
 もちろん、一旦始めたインスリン注射も、そうやって分泌量が増えれば止めることができます。
 決して「一度始めたら一生続けなければならない悪魔の薬」では無いのです。

 糖尿病のインスリン注射と同様に、ステロイド外用剤も副腎皮質を休ませます。
ストロンゲストのステロイド外用剤やステロイド内服剤を長期に連用した場合、副腎はその機能を止め て萎縮してしまいますが、それ以外では楽をするだけです。
 ベリーストロングのステロイド外用剤でも大量の塗布を長期間に渡って続ければ、副腎の萎縮を見る ことがあるらしいのですが、塗布量・期間とも非常識で現実的ではありません。
 活発な発疹を消炎できるだけの強さのステロイド外用剤を、十分な量塗布すれば短期間で発疹が消 炎できます。
 一旦完全に消炎できれば、一日中ステロイド外用剤を塗り続ける必要は無くなります。
 新たに発生した発疹を消せば済むので、使用量も使用期間もずっと少なく・短くなります。
 一方、ステロイド外用剤を恐れて使用を拒み続けた場合、症状の悪化を止める手立てがありませ ん。
 季節・生活環境の変化に伴って悪化良化を繰り返す症状に一喜一憂しなければなりません。
 明らかに生活の質が低下してしまいます。
 間違った知識に基づいて無用にステロイド外用剤を恐れるのは、火を恐れる動物と何ら変わりありま せん。
 薬を上手に使えば、普通の人と同じ生活が送れるなら、何を躊躇う必要があるのでしょう?

 ステロイド外用剤もインスリンも薬ですから素人判断で乱用すべきではありません。
 ですが、それが必要な症状の患者が使えば確実に生活の質が向上します。
 上手くコンロールできれば、病気の進行を留め、回復への足掛かりにも成り得ます。
 無用に恐れて使用しないのは損だと思うのですが・・・



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