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アトピービジネスの間違いを暴け!

脱ステロイドの治癒例は、本当にステロイド皮膚症(ステロイド依存症)からの回復なのか?

                               ……俺の体で壮烈な人体実験を行うゼ!

 2012.02.20

 前の記事を書いている途中で、とんでもない事実に気付いてしまった。

 なんて大袈裟な話ではないのですが。

   脱ステロイドでアトピー性皮膚炎が治るのは嘘で、
   脱ステロイドで綺麗な肌を取り戻すのは、その患者がアトピー性皮膚炎ではなく
   ステロイド皮膚症(ステロイド依存症)であった場合だけ。
   その患者がステロイド皮膚症(ステロイド依存症)であった場合は、
   原疾患が無いので脱ステロイドによりステロイド皮膚症(ステロイド依存症)から脱却すれば
   ステロイド外用剤を塗り続けなければ炎症が抑えられない状況から脱却できる

 ……これが、「脱ステロイドでアトピー性皮膚炎は治らないが、快方に向かう患者も居る」という
 受け入れ難い現実に対する我々“脱ステロイド否定派”の主張でした。


 しかし、脱ステロイドを挑戦せずに止めたと仰られる方からのメールを頂戴し、
 その返答を書くために、脱ステロイド推奨サイトを幾つか廻るにつれて。

 「もしかしてステロイド皮膚症(ステロイド依存症)が在るという前提そのものが間違っているのかも」
 という疑問を持つようになってしまいました。


 こちらのwebサイトを見ていただきたい。

 http://blog.m3.com/steroidwithdrawal/20091021/_6_ (魚拓

 これは脱ステロイド推奨医の第一人者が第一線から退いた後に執筆されたwebサイトですが、
 読まれた方は、意外な事実に驚かれたに違いない。

 なんと! 元が健康な肌であれば最強のステロイド外用剤『デルモベート』を連用しても
 ステロイド皮膚症(ステロイド依存症)にならないという。

 これは衝撃の事実である。

 我々が
 「ステロイド外用剤を長期に渡って連用し続けた場合、アトピー性皮膚炎が治っていても
  皮膚がステロイド皮膚症(ステロイド依存症)になっているため、ステロイド外用剤を中断すると
  激しい皮膚炎を起こす」
 という仮説を信じる理由は、
 覚醒剤やヘロイン等の向精神薬等もステロイド外用剤と同様に、長期の連用で効き目の低下がみら れ、
 かつ、中断すると離脱症状と呼ばれる著しい症状の悪化がみられるからに他ならない。

 つまり、我々は、ステロイド皮膚症(ステロイド依存症)からの離脱症状を、
 麻薬中毒患者の離脱症状と同じだと思い込んでいたのだ。


 もちろん、それには、
 「アトピー性皮膚炎のステロイド皮膚症(ステロイド依存症)とは、
  もう既に健常な肌に戻っているのに、ステロイド外用剤を使い続けた所為で
  アトピー性皮膚炎様の症状を示している」
 という前提がある。

 アトピー性皮膚炎の原疾患のある肌が、ステロイドの中断で激しく悪化することは、当たり前だ。
 そんなものはステロイド皮膚症(ステロイド依存症)からの離脱症状では決してない。

 向精神薬を服用している精神病患者が、薬の服用を中断した場合に異常行動に至るのは、
 薬で抑えていた症状が発露しただけであって離脱症状ではないのと同じである。

 つまり、脱ステロイドに於ける皮膚炎の悪化を、
 ステロイド皮膚症(ステロイド依存症)からの離脱症状であると捉える為には、
 向精神薬が健常な人に連用して中断した際に離脱症状が現れるのと同様に、
 健常な肌にステロイド外用剤を連用し、中断した際に
 離脱症状としての炎症が発生しなくてはならないのだ。

 しかし、少なくともこの実験結果は、健常な肌にステロイド外用剤を連用し、中断しても、
 離脱症状としての炎症は発生しない、という結果を残している。


 この元皮膚科医は、

 > この研究は、健常者で行われているので、炎症反応は伴わず、
 > 皮膚萎縮はすみやかに回復していますが、
 > これがatopic skinならば、外的刺激に反応して強い炎症反応を伴うことでしょう。

 とさらりと書いてるが、表皮や真皮が萎縮して外的刺激に脆弱となっているのは
 ステロイド外用剤の副作用であって、ステロイド外用剤からの離脱症状ではない。

 故意にステロイド皮膚症(ステロイド依存症)状態にしたボランテア4名の前腕皮膚が、
 ステロイド外用剤の中断によって皮膚の萎縮から速やかな回復のみを示し、
 アトピー性皮膚炎様の炎症症状を起こさないのであれば、
 それは、治っているのにステロイド外用剤を使用し続けて
 ステロイド皮膚症(ステロイド依存症)となった肌も同じハズだ。

 だが、現実は違う。

 故意にステロイド皮膚症(ステロイド依存症)状態にしたボランテア4名の前腕皮膚が、
 ステロイド外用剤の中断によって皮膚の萎縮から速やかな回復のみを示し、
 離脱症状ナシに塗る前の状態に戻っているのに対して、
 ステロイド外用剤を使用し続けたステロイド皮膚症(ステロイド依存症)の肌は
 劇症と呼ぶべき激しい離脱症状を示してしまう。

 向精神薬の血中濃度が下がって精神病患者特有の奇行を始めた時、人は誰もそれを
 「向精神薬の離脱症状」とは呼ばない。

 あくまで、精神病患者ではない人が向精神薬の中毒になり、
 その薬を中断して、病患者特有の奇行に似た行動を始めた時に、
 人はそれを「向精神薬の離脱症状」と呼ぶ。


 そもそもアトピー性皮膚炎の発症要因は様々で、アレルゲンの摂取や接触以外にも、
 過度にインドアな生活に因る運動不足や日光不足,人間関係や就学・就労に因るストレスなど
 極めて多岐に渡る。
 ですから、こういった発症要因が何らかの理由で払拭されれば、
 アトピー性皮膚炎が消えて無くなるということは、十分にあり得る話だ。

 そこで脱ステロイドに想いを馳せて欲しいのですが、完全なヒキニートでない者が
 脱ステロイドを敢行した場合、その醜く変貌する姿ゆえに、家族との関係は(良くなるにしろ
 悪くなるにしろ)変化し、学校や職場に対しては休学や休職(今のご時世なら普通は失職)で縁が切 れる。

 これは紛れも無いアトピー性皮膚炎の発生要因が欠落した状況であり、
 原疾患としてアトピー性皮膚炎があっても、発生要因が欠落すれば皮膚炎は出なくなるのだから
 アトピー性皮膚炎患者が脱ステロイドを敢行してアトピー性皮膚炎が治る可能性は十分にあると言え る。


 だから脱ステロイドで健康な肌を取り戻すことの出来る人は、
 「アトピー性皮膚炎は治っているのにステロイド皮膚症(ステロイド依存症)になっている人」
 じゃなくて
 「脱ステロイドに伴う生活環境の変化に因って、皮膚炎の発生要因が減らされた人」
 なのではないだろうか。

 ……という仮説に辿り付いた時、私は戦慄した。

 だってそうではないか。

 脱ステロイドで学校へ行くことが出来なくなり、あるいは会社へ行くことができなくなり、
 友達と疎遠になり、外出も出来なくなる・・・等々に因ってアトピー性皮膚炎の発症要因が減って
 アトピー性皮膚炎が快方に向かうのであれば、何も脱ステロイドなんかしなくても良いではないか。

 学校を退学し、あるいは会社を退社し、友達と縁を切って引き籠れば済む話だ。

 何も悪魔と抱擁するような想いをする必要はない。

 アトピー性皮膚炎が消失したステロイド皮膚症(ステロイド依存症)はあるのか?ないのか?

 「ない」とする仮説に反論するとしたら↓これしかないだろう。

   故意にステロイド皮膚症(ステロイド依存症)状態にした健常人の肌と違って、
   アトピー性皮膚炎を発症する因子を持つ肌は、一旦綺麗になってもステロイド外用剤を
   使用し続ければステロイド皮膚症(ステロイド依存症)になる。

 と。

 ならば。 そうならば試すしかあるまい。

 誰の体で? 私の体で!

 幸か不幸か、今現在私のアトピー性皮膚炎は、
 何故か脱ステロイド前に症状の酷かった部位に殆ど発疹/炎症が出ない。

 脱ステロイド後に新たに発症した部位は、ちょっと薬を切らすと直ちに
 発疹/炎症が発生する(部位によって程度の差はあります)というのに、
 脱ステロイド前に症状の酷かった部位はホッタラカシで全く問題ないのだ。

 

 ↑ 「え? これで重度な慢性アトピー性皮膚炎なの?」と訊かれそうなくらい綺麗な「肘の内側」。
   このように脱ステロイド前と脱ステロイド後で、皮膚炎の発症する場所が完全に変わってしまった。
   
   ここは、ステロイド外用剤を全く必要としていないが、まがうことなき atopic skin である。


 このホッタラカシで発疹/炎症の出ない部位に敢えてステロイド外用剤を連用し、
 故意のステロイド皮膚症(ステロイド依存症)状態にしてみようではないか。

 丁度手元にマイザーをワセリンで割った物が50gプラ壺1個分丸々ありますので、コレを使う。

 

 atopic skin ではあるが、症状のない左肘の内側へ半年も塗り続ければ、
 ステロイド皮膚症(ステロイド依存症)になるだろう。
 その上で、いきなりその部位へ塗るステロイド外用剤を中断してやる。

 さて、どうなるか!?

 乞うご期待! 半年間、ワクテカして待て!

 ※:ちなみに右肘の内側も同様に症状はありませんが、
   万が一、ステロイド中断後に強烈な離脱症状が発生した場合に備えて、日常生活に支障を及ぼし難い左肘を選びまし た。





 ★追伸★

 ちなみに、

 ・ ステロイド外用剤の中断後に激しいアトピー性皮膚炎様症状を呈した場合

   → 故意にステロイド皮膚症(ステロイド依存症)状態にした健常人の肌と違って、
     アトピー性皮膚炎を発症する因子を持つ肌は、一旦綺麗になってもステロイド外用剤を
     使用し続ければステロイド皮膚症(ステロイド依存症)になる。


 ・ ステロイド外用剤の中断後にアトピー性皮膚炎様症状を呈すことがなかった場合

   → 「ステロイド皮膚症(ステロイド依存症)が脱ステロイドで治る」は嘘。
     脱ステロイドに伴う環境の変化でアトピー性皮膚炎の発症要因が減っただけ。

 となります。

 これはッ! 実験体である私自身も興味深々丸だッ!



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