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オイル及びオイル添加剤

 粘度表示
【問】オイル粘度の表示って、「5W−30」や「10W-50」ですけど、この数字の内、“W”の付いている方 (前 の数字)が冷間の粘度で、付いていない方(後ろの数字)が高温の粘度なんですよね。  だった ら、オ イルって温度が上がると硬くなるのでしょうか? 
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【答】いやいやいや。 
 温度が上がって硬くなるんだったら、剪断抵抗が増えるだけですから、オイルクーラーなんか無くても  エンジンは壊れないことになってしまいます。 
  
 SAE表示における前の数字と後ろの表示は、物理的な粘度を直接表しているわけではありません。    単に分類するための数字なんです。 
┏━━━━━━┳━━━━━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━┓
┃エンジン油 ┃粘度(cP) ┃限界ポンピング┃ 粘度(cSt)、100℃  ┃
┃SAE 粘度番号┃MAX/℃   ┃温度(℃)MAX ┃ MIN ┳ MAX ┃
┣━━━━━━╋━━━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃  0W  ┃ 3250/-30 ┃   -35   ┃  3.8  ┃  −  ┃
┃  5W  ┃ 3500/-25 ┃   -30   ┃  3.8  ┃  −  ┃
┃ 10W  ┃ 3500/-20 ┃   -25   ┃  4.1  ┃  −  ┃
┃ 15W  ┃ 3500/-15 ┃   -20   ┃  5.6  ┃  −  ┃
┃ 20W  ┃ 4500/-10 ┃   -15   ┃  5.6  ┃  −  ┃
┃  20  ┃  −   ┃   −   ┃  5.6  ┃ < 9.3 ┃
┃  30  ┃  −   ┃   −   ┃  9.3  ┃ < 12.5 ┃
┃  40  ┃  −   ┃   −   ┃  12.5  ┃ < 16.3 ┃
┃  50  ┃  −   ┃   −   ┃  16.3  ┃ < 21.9 ┃
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 たとえば、5W−30とは、氷点下25℃の際に粘度が3500センチポワズ、100℃の際に動粘度が9.3〜 12. 5センチストークだという意味です。  同様に10W−50は、氷点下20℃の際に粘度が3500センチポ ワ ズ、100℃の際に動粘度が16.3〜21.9という意味になります。 


 ちなみに、ギアオイルの粘度表示も同様で、物理的な粘度を直接表示しているわけではありません。    しかも、エンジンオイルの「それ」とは評価軸が異なります。 
┏━━━━━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━┓
┃ギアオイル ┃150000cPを示す┃ 粘度(cSt)、100℃  ┃
┃SAE 粘度番号┃最低温度(℃)┃ MIN ┳ MAX ┃
┣━━━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃ 70W  ┃   -55   ┃  4.1  ┃  −  ┃
┃ 80W  ┃   -26   ┃  7.0  ┃  −  ┃
┃ 85W  ┃   -12   ┃  11.0  ┃  −  ┃
┃  90  ┃   −   ┃  13.5  ┃ < 24.0 ┃
┃ 140  ┃   −   ┃  24.0  ┃ < 41.0 ┃
┃ 250  ┃   −   ┃  41.0  ┃  −  ┃
┗━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┛
 ですから、エンジンオイルにおける20W−60は同10W−30の二倍の硬さではありませんし、ギ アオイ ルが常温でグリス並みの硬さでもないのです(冬場はかなり硬いですけどね)。 
※ cP:センチポワズ,SI単位はPa・s:速度の異なる二面間に在る液体において、二面片側の面積が1cm平方、二面間の距 離 が1cm、速度差が1cm/sec、速度差を生じるために加えられる力が1dyneの時、その粘度を1ポワズと言い、その1/100をセ ンチ ポワズと呼ぶ。
※ cSt:センチストーク(動粘度),SI単位はmm平方/s:センチポワズを密度で除した量をストークと言い、その1/100をセンチス ト ークと呼ぶ。


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