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サスペンション

レバー比
【問】スープラなど用の車高調は、設定されているバネレートが非常に高いのですが、サーキット仕様ば かりなのでしょうか。 
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2007.07.07 carviewの掲示板にて○よさん(HN)という方にアドバイスを頂戴しましたので、ちょっくら書き換えました。 
【答】ダブルウイッシュボーンなどのサスペンション構造は、バネの反発力のロア・アームに作用する場 所が、ストラットなどの構造に比べてボディ側に近くなります。 
 このため、同じバネレートでは、タイヤに作用するバネの反発力が小さくなってしまいます。 
 要するに「梃子の原理」なワケです。 

 コレをカバーするために、ダブルウイッシュボーンなどのサスペンション構造ではバネのレートを高く せざるを得ません。 

 バネの反発力が、ロアアームのどの部分に掛かるかの比率によって、タイヤのストローク量とバネ の ストローク量の比率が決まります。 

 ただし、ストローク量比の違いは、そのままタイヤに作用するバネの“力の差”にはなるものの、“バネ レートの差”になるというわけではありません。 

 例えば、ボディ側の支点とタイヤの中心までの距離(L)が同じだと仮定して、バネの作用する点がL の1/2と2/3(ボディ側から2)はどう違うのでしょうか? 
 レバー比は、3/6と4/6ですから、バネの反発力が6kg/mmの場合、タイヤの中心に作用するバ ネの力は、前者が3kg/mm、後者が4kg/mmになると思われがちです。 
 しかし、バネレートはバネを1mm縮ませるのに必要な荷重ですから、バネのストローク量が変われ ば、タイヤの上下運動によって縮むバネの量も変わります。 
 タイヤが6cm動く間に、前者のバネは3cm、後者のバネは4cm縮みます。 
 つまり、ストローク量の違いによって生じる「タイヤに作用するバネレートの差」は、梃子の原理による 力の差と、ストローク量の差の乗算・・・つまり、 [ バネレート ] × [ ストローク量の差の二乗 ] を掛けた 数値が、 タイヤの中心に作用するバネの力(=ホイールレート)になります。 
  
 この例でいえば、同じ6kg/mmのバネレートなら、前者のホイールセンターに作用するバネレートは6 kg/mm×(1/2)^2=1.5kg/mm。 後者のホイールセンターに作用するバネレートは6kg/mm×(2/ 3)^2≒2.7kg/mm。 
 このように、アームの力点・支点・作用点の距離比が変わるとレバー比が大きく変わるため、バネレ ートを非常に大きくしなければ辻褄が合わなくなります。 
 ですから、たとえ車高調のバネレートが倍位違っても、サスペンションの構造が異なれば、ホイールセ ンターに作用するバネレートは大差ないことがあるのです。 





★☆★<2005.07.10 追伸>★☆★   
 私の説明が悪かった所為で、レバー比がストローク量の差の二乗になるという理屈がイマイチ解り辛 かったようです。  お詫びし、以下に補足説明をします。 


 (支)━━━(作)━━━━━━(力) 


 という梃子を用意したとします。  
 (支)は、支点。  
 (作)は、作用点。  
 (力)は力点。  
 で、支点〜作用点の距離:1  
 支点〜力点の距離:3  
 です。  

 さて、作用点の上にバネレートが9kg/mmのバネAを置いたと仮定します。  

       (壁)
        =
        = A
        =
 (支)━━━(作)━━━━━━(力)
                 ↑
                 押

 では、力点を下から押して、このバネAを1mm縮めるのに必要な力は幾らでしょう?  

 答えは簡単ですよね。  
 [ 支点〜作用点の距離 ] : [ 支点〜力点の距離 ] = [ 力点に掛かる力 ] : [ 作用点に掛かる力 ]  
 なのですから、  
 1:3=?:9  
 ∴?=3  
 で 3kg になります。  

 と、 ここまでは梃子の原理だけのお話。  

 バネレートは、1mm縮めるのに必要な力を現す単位。  
 ですから、力点の移動量に着目しなくてはなりません。  
 先の例でバネを1mm縮める時、力点は何ミリ動いたのでしょうか?  
  [ 支点〜作用点の距離 ] : [ 支点〜力点の距離 ] = [ 作用点の移動距離 ] : [ 力点の移動距  離 ]  
 なのですから、  
 1:3=1:?  
 ∴?=3  
 で 3mm になります。  
 ということは、先の例は、力点の下にバネBを置き、それを下から3kgの力で押して3ミリ縮めた時 に、バネAが1ミリ縮んだのだと見做すことができるでしょう。  

       (壁) 
        = 
        = A 
        = 
 (支)━━━(作)━━━━━━(力) 
                 = 
                 = B 
                 = 
                 ↑ 
                 押 

 このバネBのバネレートは、3kgの力で3mm縮んだのですから、1kg/mmとなります。  

 つまり、ストローク量の差が1:3のロアアームによってホイールセンターに掛かるバネレートは、サス に取り付けられたバネレート9kg/mmの時に僅か1kg/mmになるワケです。  

 以上を計算式で表すと、 [ ホイールレート ] = [ サスペンションスプリングのバネレート ] × [ ストロ ーク量の差 ] ^ 2 になるというだけの話なんですよ。 





■□2007.07.03 追補□■ 

 何気なくいつものようにキーワード「cabad806」で検索してみたら、また新しくみんカラの掲示板に当サ イトのURLが貼られていました(http://www.carview.co.jp/bbs/104/299/?bd=100&pgcs=1000&th=  2530178&act=th)。 
 マイナーサイトを宣伝して下さるのはありがたいのですが、間違った知識で否定されるのは敵いませ ん。 

 なんでも、 
>知人のご家族の方が現役物理教師なので聞いてもらいました。  
>「二乗する必要は無い」そうです。 
 とのこと。 

 それ訊き方が悪かったんじゃないですか?  

 逆に二乗する必要が無いと仮定しましょう。 

 そうすると、 

       (壁)
        =
        = A
        =
 (支)━━━(作)━━━━━━(力)
                 =
                 = B
                 =
                 ↑
                 押


 の図でバネAのレートが9kg/mm,バネBのレートが3kg/mmということですよね。 

 バネBが3kg/mmのレートなら3kgの力で下から押した際に1mmしか縮みません。 

 この時、バネAは何ミリ縮んでいるのでしょうか? 

 先の計算式の通り、 
  [ 支点〜作用点の距離 ] : [ 支点〜力点の距離 ] = [ 作用点の移動距離 ] : [ 力点の移動距  離 ]  
 なのですから、  
 1:3=?:1  
 ∴?=0.33333… 
 となります。 

 作用点に掛かっている力は、梃子の原理で9kgですから、バネAは9kgの荷重を受けて0.33333…mm 縮むことになります。 

 あれれ? 9kgの荷重を受けて0.33333…mm縮むバネのレートは、計算すると9÷0.33333…=27です から、27kg/mmということになりますよ。 

 バネBのレートを1kg/mmにしないと辻褄が合わなくなるんだけど...いいのかな? (笑) 


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