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サスペンション

自動車メーカーは、何故「車高調形状」のサスを採用しないのか?
【問】純正のサスペンションは、タイヤの上にバネが置かれている所謂「純正形状」ですが、アフターマ ーケットのサスキットは、殆どが「車高調」と呼ばれるダンパーのシリンダーにバネを巻き付けた構造で す。 車高調の方が優れているなら、純正も調整機構を省いて車高調形状にすれば、大したコストも掛 からず高性能化出来ると思うのですが。
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【答】ストラット形式の場合は、車高を下げるのでなければ、バネがタイヤの上にある純正形状の方 が、様々な点に於いて優れているから純正は、タイヤの上にバネを置いた「純正形状」を採用するので す。
 ストラット形式のサスペンションは、タイヤが生む横力を受け止める構造物を兼ねています。 そのた め、ダンパーは、挫屈応力を受けてしまいます。
 タイヤの上にバネを置く純正形状のダンパーは、バネの置き方に自由度が高いので、その挫屈応力 を相殺するように敢えてバネを斜めに据えています。 ですから、シリンダーとピストンの摺動面が、横 方向に押し付けられることなくスムーズに稼動することができるのです。
 しかも、純正形状のダンパーは、ダンパーの外周にバネを置かないため、シリンダー外径を太くして もタイヤと干渉しません。 そのため、単価の安いツインチューブ構造のダンパーでもそこそこ太いピス トン径を使うことが可能となります。

 一方、車高調の形状では、上述の長所は全く得られません。
 挫屈応力を受けて稼動するダンパーのピストンは、シリンダー内壁に強く押し付けられ、スムーズな 作動を阻害されるばかりでなく、磨耗して寿命を縮めます。
 ダンパーの外周にバネがあるためにシリンダー外径が制限されます。  その細いシリンダーにある 程度以上の径を持つピストンを収めようとした場合、必然的に高価なモノチューブ構造が必要になって しまいます。

 では、何故アフターマーケットで売られるダンパーの多くが車高調整式の構造を採っているのでしょう か?
 それは、車高短を前提にしているからです。
 タイヤの上にバネを置く純正形状のダンパーで車高短にすると、先述のメリットが吹っ飛んでしまうく らい大きなデメリットが生まれてしまいます。
 タイヤの上にバネを置く純正形状のダンパーに於ける車高短とは、必然的に短いバネを使った車高 短になります。
 しかし、幾ら短いバネを使っても、バネの受け皿2枚とバネがタイヤの上に鎮座していますので、車高 を大きく下げることは困難です。
  見た目に大して下がっていなくても、バネのストローク代が数センチも無い状態になることもありま す。
 ところが、車高調形状の場合、タイヤの上の空間が、そのままサスペンションのストローク代として使 えます(但し、アーム類などの干渉が無い限り)。 ですから、純正形状とは逆に、見た目にベタベタな 車高短であっても、車高調形状のサスキットなら、ステージ次第では十分なストローク代が得られること もあるのです。

 まとめると、ストラット形式のサスペンションは、車高を下げないのであれば「純正形状」の方が優れ ており、車高を下げるのであれば「車高調」の方が優れているのです。


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