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三菱ランサーエボリューション5型について

【問】Evo.5の弱点は? (メインテナンス編)
【答】一切無改造のままで使用し、制限速度を遵守した町乗りに徹するのであれば、その他の国産車と 同様、特に問題となる欠点はありません。


 ただし、無改造でも夏に高回転・高負荷下で連続して稼動させると油温が半端ではなく上がります。   エアコンONの80km/hですら軽く100℃を超えます。 夜の峠道で125℃以上、昼のサーキットで140℃ 以上。  ですから、遵法に徹底した町乗りでない限り、耐熱性に優れたオイルの使用、できれば大容 量なオイルクーラーの装着が必須となります。


 高性能なオイルへの要求はギアオイルにも当て嵌まります。 特にデフとトランスファーは、共に容量 が僅か0.5リットルしかありませんので、オイルに大きく依存しています。
 できれば、モチュールやオメガを、最低でもレッドラインを使ってください。 単価が高くてもギアオイル として評価の高くないものは避けましょう。 また、極端に硬いギアオイルをトランスファーに使用する と、フロントのトルセンLSDを痛めることがあります。 注意しましょう。
 それと、ギアオイルに関しては落とし穴がありますので注意が必要です。
 幾つかのアフターパーツメーカーからエンジンオイルクーラーが販売されています。 しかし、エンジン オイルクーラーで冷却されるのはエンジンオイルだけです。 デフ、トランスファーそしてミッションのギア オイルは冷却されませんので、そのまま油温が上がり続けます。
 マニュアルトランスミッションは油量が3リットルありますから未だマシなのですが、デフ、トランスファ ーは油量が0.5リットルしかありません。
 ギアオイルの潤滑性能が低下すると、エンジンブレーキを掛けた時に「グー」という唸り音が聞こえる ことがあります。 もし、スポーツ走行中にこの音が聞こえたら、アクセルを緩めて下さい。
 異音が聞こえなくても、こまめに交換しましょう。 サーキット走行後のギアオイル交換はエンジンオイ ルと同等に必須です。

 油脂類といえば、AYCのフリュードの定期的な交換が必要です。
 7型からは普通のATFが使われているのですが、4〜6型(含むTM)は専用の液(=三菱純正AYCフリュ ード)が必要です。  AYCフリュードの成分はATFに近いのですが、4〜6型(含むTM)のAYCフリュード をATFで代用することは出来ません(やった人の話を寡聞にして知らないだけなので、ひょっとしたら代用可なのかもし れません。  ただし、少なくとも代用品の使用はクレームの対象になりません)
 AYCのフリュード交換は、デフオイルの交換と同じですが、ディーラー以外で作業すると万一故障した 際にクレームの対象になりません。
 1200円程度のフリュード交換に7千円も払うのは癪(※)ですが、クレームの効く走行距離の内はディ ーラーに頼むようにしましょう。
(※:店によって値段が大いに違います。 最高値7千円〜最低値1,500円くらい)

 なお、メーカーの推奨する交換サイクル4万キロは遅すぎます。 遵法に徹底した町乗りでない限り2 万キロ毎に交換するようにしてください。

 なお、AYC付きエボのリアデフ周りには3種類の油脂が使われています。
 ひとつは、デフオイルで、これはデファレンシャルの傘歯車を潤滑・冷却するためだけに存在します。
 もうひとつは、AYCフリュードで、これはAYCに使われている湿式多板クラッチを潤滑・冷却するため だけに存在します。  つまり、普通の機械式LSD付きデフに使われているデフオイルの仕事を、AYC 付きデフでは二つ油脂で別々に賄っているワケです。
 そして、更にもう一つ、AYCを作動させるための油圧用フリュードが存在します。  これは文字通り AYCの湿式多板クラッチを作動させるための油圧フリュードです。
 AYC付き車両のメンテナンスに関する誤解で一番多いのは、湿式多板クラッチが浸かっ ている「AYCフリュード」と湿式多板クラッチを動かしている「油圧用フリュード」を 混同してしまうことです。  情けないことに、多くのムック本がこの間違いを犯しています(メーカーが 発行している整備要領書に書いてあるんですけどねぇ・・・)。  湿式多板クラッチが浸かっているAYCフリュード は、デフオイルと同じデフキャリア内にあり、油圧用フリュードは、ポンプやリザーバータンクからデフキ ャリア内へ銅管で繋がった配管内にあります。
 つまり、ムック本などで紹介されている「トランク内にあるリザーバタンク」は、AYCフリュードのタンク ではなく、油圧用フリュードのタンクなのです。
 そして、サーキット走行などの際に沸騰してしまうのは、AYCフリュードです。  これは、湿式多板クラ ッチの熱を帯びてしまうからですから、油圧用フリュードは関係ありません。  ですから、トランク内に あるリザーバタンク内のフリュードを幾ら新調しても、劣化したAYCフリュードの交換にはならないので す。  この点は、三推社講談社刊【ランサーエボリューション・オーナーズマニュアル】でもモノの見事 に間違えていますので、注意してください。  トランク内にあるリザーバタンクのフリュードを 幾ら交換しても、AYCのフリュード交換にはなりません!  そして、AYCのフリュ ードは、ある程度スポーツ走行するなら、2万キロ以内毎に交換しないとAYCが壊 れてしまいます。

 さて、ここで、AYCの損耗状態の判断基準をメーカーの整備要領書より無断転載しておきます。
 
■リヤアクスル総合バックラッシュの点検
駆動系からうなり音が出たり車が振動する場合は、次の要領でリヤアクスルの総合パックラッシュを測 定する。それによってディフアレンシャルキャリアAssyの取外しが必要か否かを判断する。
(1)シフトレバーをニュートラル位置し、パーキングブレーキを作動させる。
(2)プロペラシャフトを時計方向へいっぱいまで回し、コンパニオンフランジのダストカバーと、ギヤキャ リアに合わせマークを付ける。
(3)プロペラシャフトを反時計方向へいっぱいまで回し、合わせマークの移動量を測定する。
 限度値:5mm
(4)バックラッシュが限度値を超えるときはディファレンシャルキャリアAssyを交換する。

 ※ AYCフリュードの交換については、別頁に整備要領書の写しを掲載しておりますので、御参照下さ い。


 次に、いうまでもなくブレーキフリュードも要定期交換油脂です。  ブレンボキャリパーならローター の熱容積に余裕がありますので、ブレーキフリュードの交換は1年毎で大丈夫です。 ただし、走行会 仕様でサーキットを走行する機会が年2回以上あるのでしたら、走行会毎に交換した方が安心です。  この交換に使うフリュードの量は1〜1.5リットル程度で十分です。 ブリーダバルブから排出される液の 色が完全に新品と同じ濃さになったらそれで十分です。  それ以上幾らフリュードを希釈交換しても、 掛かったお金ほどの効果は得られません。 1回の交換に費やすフリュードの量を増やすのであれ ば、交換サイクルを短くした方が遥かに効果的です。

 ただし、肝心のブレンボキャリパー自体は余り熱に強くありません。
 峠を軽く流す程度であれば何の問題も起こらないのですが、峠でも下りを攻めたり、サーキット走行 をしたりする場合には、キャリパーが開きます。  この「開く」は永久変形ではなく、一時的なもので、 余程酷使しない限り、冷えれば元に戻ってしまうのですが、実線では大きなハンディキャップになりま す。  6型から材質の変更がされていますので、安価に入手できるのであれば6型用のブレンボキャ リパーに交換するのも良いでしょう。  しかし、新品キャリパーを部品単体で買うとエゲツナイ値段しま す。  新品キャリパーを手配するなら、社外品でもうワンサイズ大きなブレーキを買う方が賢策です。
 ちなみに、キャリパーの塗料は極めて簡単に変色します。  新品は鮮やかなレッドですが、少し熱を 加えただけで焦げたような煤けた赤色(静脈から採取した血液のような色)になってしまいます。  一 旦塗料を剥離して耐熱塗料で塗り直せば良いのでしょうが、キャリパーの色と性能は関係ありません から、無駄な金は投資しないのが吉かと。
 (逆に言えば、エボで純正のブレンボキャリパーが鮮やかなレッドを保っていれば、攻めた走りはして いないと判断できます。  中古車購入の際の目安、或いは語り野郎や雰囲気組の判別になりますヨ ♪)



 パワーステアリングフリュードに関しては、四駆ドリをしない限り、無交換でも構いません。 とはいえ、 あまり長く使い続けると潤滑能力が落ちてポンプが齧ることがあります。 パワーステアリングフリュー ドの全量交換は結構な重整備になりますので、毎年1回、リザーバタンクからフリュードをスポイトで吸 い取り、新油を注いでおきましょう。 グリッパーならそれで十分です。



 ラジエターのLLCは2年毎の全量交換が推奨されますが、これも結構な重整備です。 毎年1回、ラ ジエター下部のドレンコックからラジエター容積分のLLCだけを排出して、新しいLLCを注いでおくだけ でも良いので定期交換を心掛けましょう。
 LLCには高い熱交換効率を謳う商品もありますが、所詮大容積ラジエターには敵いません。 ただ し、この手のLLCは非希釈なので水道水に含まれる塩素の影響がありません。 ラジエターの腐食対 策には有効ですので、財布に余裕があれば検討しても良いでしょう。



 エンジンオイルの交換サイクルは頻繁にしてください。
 エボのエンジンはカムの隙間調整をラッシュアジャスターで行っています。
 ラッシュアジャスターは、針で突いたような小さな穴からエンジンオイルを供給していますが、エンジン オイルにスラッジが混ざると、この穴が塞がってしまいます。
 穴が塞がるとカムの隙間が広がって、カムがスイングアームを叩いて音が出ます。
 1週間以上稼動させなかった時の始動直後に「カタカタ」言う程度であれば問題はありません。
 2〜3日のインターバルで始動直後に「カタカタ」言うようなら要注意。 毎日稼動させていても、始動 直後にカタカタ言うのであれば、オーバーホールしたほうが良いでしょう。
 暖気が終わっても「カタカタ」いう状態になれば、そのラッシュアジャスターは終わっています。 そのま ま走り続けると作動ガスの交換が滞って熱が篭り、エンジンが壊れてしまいます。

 ちなみに、ラッシュアジャスターのオーバーホールを個人がやるのは大変です。
 ヘッドを開けるので埃の心配がありますし、作業が遅いとエアが噛んでしまって一からやり直しになり ます。
 作業環境が整っていて、なおかつ十分な作業時間が確保できない限り、プロに任せた方が賢明です  (工賃聞くとビビリますからね、プライベートで何とかしたいと言う気持ちは分かりますが)。
 ラッシュアジャスターが逝く前に採れる対策は、穴が塞がらないように新車の段階から常に頻繁なエ ンジンオイル交換を心掛けることです。  メーカー推奨の交換サイクルは遅すぎます。
 (ちなみにオーバーホールするのであれば、TM以降用のラッシュに交換するのがオススメです。   オイルを取り込む穴が大きくなっているので、穴が塞がり難くなっています)
 
 なお、余談ですがテフロンなどの固体潤滑材を含んだ市販の添加剤をエンジンオイルに混ぜると、ピ ストンランドの溝に粉が溜まってピストンリングの動きを阻害します。 最悪の場合、ピストンランドが割 れるなどの被害が発生することがあります。 甘い謳い文句に踊らされないように注意してください。  「安いオイル + 添加剤」なら高いオイルを。 「高いオイル + 添加剤」なら高いオイルの交換サイクルを 頻繁にする方が賢策です。



 エアクリーナーもメーカーが推奨する交換サイクルの半分程度で換えておけばよいでしょう。
 社外品のエアクリーナーで濾過材にスポンジを使っているものは洗って再利用することができます。  しかし、埃を吸着させるために含ませてある油が曲者で、洗剤を介して洗いに使った道具が酷く汚れま す。 個人的には買い換えた方が得だと思いますね。
 なお、余談ですが某社から発売されている赤い植毛付きのエアクリーナーは危険です。 植毛が濾過 材の目を通ってエンジンに吸い込まれてしまうのです。 エボなど繊細なエンジンに装着するのは避け ましょう。



 プラグは、ノーマルエンジンであれば純正のままで構いません。
 ただし、白金プラグであっても、メーカーが推奨する交換サイクルの遥か以前に劣化します。 メーカ ー推奨交換サイクル10万キロの半分程度で交換した方が良いでしょう。
 なお、衝突安全性の問題からサージタンクを小さくしてある4G63は、気筒毎の空気流入量に結構な バラつきがあります。
 その所為で、プラグの焼け具合もバラつきます。
 この焼け具合のバラつきに合わせて、各気筒毎にプラグの番手を変えるのは余り良くありません。  ノーマルエンジンなら、焼け具合のバラつきが原因でエンジンブローすることはまずあり得ません(少な くとも聞いたことがありません)。
 チューニングするのであれば、サージタンクを容量の大きい社外品に変えた方が安心です。

 また、プラグを社外品にする場合は、電極の細さに注意してください。 イリジュウム合金性電極を使 ったプラグの中には電極の細いものがありますが、燃焼熱で熔損してしまうことがあるのでエボには向 きません。



 さて、屋根付き駐車場であれば、ほとんど問題はないのですが、エボのボンネット穴の直下(といって も、遮熱板とエキマニがあって、その下なのですが)にアクチュエータがあります。
 屋外駐車で雨に晒されていると、このアクチュエータのロッドが腐食して固着することがあります。  「過給圧が上がらない」などの症状が出ますので、ピークホールド機能付きのターボメーターでチェック するように心掛けましょう。
 また、同じ理由から、ボンネットに取り付けられている横長穴の開いたインナーパネルは取り外さない でください。 アレを外すと雨中走行時にアクチュエータ他様々な部品が雨水に晒されてしまいます。
 アレを外しても、大して冷却効率は上がりません(※)ので外さないでください。

※注釈:エボに限らず、乗用車のスポーツモデルのボンネット穴に、高速走行時の排熱効果はあまり ありません。
 それは、穴の開いていないハイパワーモデルについて考えてみれば判ることです。
 アリストやスープラ、GT−R、RX−7などは高速走行時に何処から排熱しているのでしょうか?
 それはボディ下部からです。
 フロントスポイラーの形状に拠って差はありますが、基本的に高速走行時、ボデイ下部に負圧が生じ ています。 フロントにエンジンを積んだ乗用車はエンジンルームの下が開いていますので、ラジエータ を通った空気は此処から排出されるのです。
 では、ボンネット穴は何の役に立つのでしょうか?
 実は高速走行から急減速した際にエンジンルームに篭る熱を排出するのに役立つのです。
 ちなみに、フェラーリ・F50やエンツォなどは、走行中にラジエータを通った空気をボンネット穴から排 出しています。
 これは、ボディ下部に生じた負圧を使って車体を下へ押し付け、タイヤの接地圧を大きくしている(路 面のうねっている公道では無意味なんですけどね)ため、ボディ下部に空気を送り込みたくないからで す。
 なお、余談ではありますが、速度が大して乗らない割りにエンジンが高回転・高負荷で稼動されるドリ フトの場合は、ボディ下部に生じる負圧が期待できない為、エンジンルームの熱気がボン穴から排出さ れることが水温・油温の低下に効きます。  ドリ仕様車なら単純に穴あけしちゃってもイイと思います ヨ(その状態において、サーキットでタイムを削ろうとするのはどうかと思いますが)。



 油脂類に気を配っていれば、(町乗り中心であれば)5万キロ程度までは大きなトラブルは出難いと思 います。

 短い走行距離でも起こるのはヘッドカバーからのオイルの滲みですね。
 エボのヘッドカバーの一隅に「あれ?組み付け間違いかな?」と思ってしまう舌状のゴム板が食み出 していて、ここからオイルが滲み易いのです。
 ヘッドカバーの取り付けボルトを増し締めすることで一時的に症状が治まりますが、再発し易く、再発 の度に増し締めしていると最後には他の場所からもオイルが滲むようになってしまいます。 ボルトの 締め過ぎでヘッドカバーが歪んでしまうんです。 滲みと言っても大抵はほんの僅かなので、アバタもエ クボと考えて看過しましょう。



 5万キロを越えると、低出力なエンジンに比べて様々なトラブルが出る可能性が高くなります。
 有名なのはタイミングベルトですね。
 国産車のエンジンのタイミングベルトは大抵10万キロは持つのですが、エボに搭載している4G63のタ イミングベルトの寿命は8万キロくらいが目安と言われています。
 4G63に使われているタイミングベルトが低品質なワケではありません。
 オートテンショナーの調整幅が狭く、伸びたベルトが緩んでコマ跳びを起こすのです。
 運が悪いと5万キロでもコマ跳びを起こしてエンジンが終わります。
 ですから、5万キロに達したらテンショナーを手動調整。 8万キロに達したら交換しておきましょう。  交換の際には、少し強い目に張っておくのがコツです。
 でも、個人的意見としては、こーゆー静粛性を求められないエンジンのカムはチェーン駆動にして欲 しかったですね。



 燃料ポンプも問題の起こり易い部品です。
 新品の状態で、最大過給圧を賄えるギリギリの容量しかありません。
 経たって吐出量が減ると燃調が薄くなって危険です。
 10万キロを目安に、燃料フィルターと一緒に交換してしましょう。
 なお、4型以降は、燃料タンクを下ろさないとポンプ交換が出来ません。 ジャッキで上げた程度の高 さでは作業が出来ませんので、これもプロに任せた方が良いでしょう。
 工賃が結構高く付きますから、交換の際にはポンプを大容量化(6型以降用ポンプや2J用ポンプの 流用など)するのが良いでしょう。



 なお、エボのユーザー間で当たり前のように流行っている燃料ポンプ用リレーハーネスですが、5型 に装着することはコストの面で良くありません。
 というのも、アレを付けると燃料ポンプが常に全力で稼動しますので、燃料ポンプの寿命が短くなって しまうのです。 1〜3型であれば、リアシートを外すだけで燃料ポンプの交換が出来ますから、燃料ポ ンプを消耗品と見做すことも出来ますが、4型以降はそうは行かないでしょう。
 ただし、その寿命は燃料ポンプの個体差で大きく異なります。
 ハーネスを装着してから5万キロを超えても壊れない燃料ポンプもありますし、1万キロも持たない燃 料ポンプもあります。
 また、ポンプリレーハーネスを装着してレジスタをジャンプしてしまっている場合に燃料ポンプを大容 量化しますと、フューエルレギュレータの戻しラインがオーバーフローして燃調が濃くなり、低速で吹け なくなったり、アイドリングが安定しなくなったりすることがあります。



 日産車の持病とも言えるアイドリング制御系のトラブルは、エボ5にも発生します。  スロットルバル ブにISCバルブが在って、そのステッピングモーターが死にます。  これが逝くとスロットルバルブごと のAssy交換になるので結構財布に痛いのですが、予防策はありません。  ただ、故障するしないは 運次第ですし、故障の判断が付き易い部品ですので、余り気に病む必要はないでしょう。



 ノーマルでも気を付けて頂きたいのメンテナンス事項は上記くらいでしょうか。



 弄るとイロイロと出てくる話をそれなりに耳にしますけど、ノーマル+αでバカスカ壊れる脆弱さは持 ち合わせていない財布に優しいハイパワー車だと思います。  ただし、ラッシュを使ってるということも あって高回転の稼動に余り向いていません。  排気バルブのガイドが逝くという話も聞いていますの でオーバーレブには注意しましょう(とっても、1〜2速でブリバリに過給が掛かって一気に吹け上がりま すから、タイトなコーナーからの立ち上がりなどで簡単にオーバーレブしちゃうんですけどね)。



 ついでに、もうひとつ。
 4G63は、なまじっか丈夫なだけに、棚落ちしていてもノーマルブーストならドライバーに判らない程度 に走ってしまいます。  しかし、それでず〜っと無問題で走り続けるわけではありません。  いきなり 焼け付く可能性もありますから、棚落ちしているかどうかの判断は必要です。
 そこで、スポーツ走行時には、オイルレベルゲージの状態に注意して頂きたい。 
 棚落ちしていると、ブローバイガスが激増してオイルレベルゲージを押し出してしまうからです。  勿 論、オイルレベルゲージがスポーツ走行後に飛び出していても、それで棚落ちと決まってしまうわけで はありません。  大概は、オイルレベルゲージのOリングが経たって抜け易くなっているだけですが、 もし、オイルレベルゲージのOリングを新調してもスポーツ走行後にオイルレベルゲージが飛び出して しまうのであれば、棚落ちの疑いが濃厚だといえるでしょう。  その場合は、4G63に詳しいショップの 門戸を叩く必要があります。


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