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アトピービジネスの間違いを暴け!
ステロイドは劇薬か? ステロイド外用剤は皮下に蓄積するのか?
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【問】あるホームページに、「ステロイド外用剤は皮下に蓄積する」「ステロイドは劇薬」と書かれていまし
た。
やはりステロイド外用剤は恐ろしいクスリなのですね。
■■■■■□□□□□■■■■■□□□□□■■■■■□□□□□
【答】ま、蓄積するとか、しないとかいう問題以前に、ステロイド外用剤の長期連用には“慣れ”という深
刻な問題が付きまといますからね、長期連用が禁忌なのは、これまでに繰り返し述べてきた通りです。
また、「ステロイドという物質は、劇薬か否か」という問いに対して答えるのであれば、「YES」でしょう。
しかし、だからこそワセリンやクリームなどの基剤で希釈して使われるのであって、高濃度で劇薬な
らば、それを用いたクスリもまた劇薬であるとは限りません。 そもそも、「高濃度で人体に害を成さな
い薬品」というものの方が稀有なのです。 この辺の馬鹿な勘違いは、ムック本【買ってはいけない】
に於いて展開された「食品添加物へのヒステリックな弾劾」と全く同じです。
使用量を度外視して論じることが許されるのであれば、我々が摂取する栄養素ですら「劇薬」と称す
ることができます。
あまりにもお粗末な詭弁というほかありません。
たしかにステロイド外用剤は、“慣れ”が生じるため匙加減の難しいクスリです。 また、アトピービジ
ネス業者の警鐘とは違うものの、看過できない副作用も確かにあります。
ですが、「悪魔のクスリ」や「劇薬」呼ばわりされて当然なクスリではありません。
では、良い機会ですので、ここで「ステロイド外用剤は皮下に蓄積するか否か」について検証してみる
ことにしましょう。
実は、この【問い】に関しては、以前にメールでお問い合わせを頂戴しております。
その際に件のホームページをメールで御紹介頂きましたので、「ステロイド外用剤は皮下に蓄積す
る」という主張への反論として、『江部康二氏他著【あなたにあったアトピー治療】(NECクリエイティブ
刊:ISBN4-87269-109-1)の115ページに「ステロイド外用剤は若い人たちでだいたい五、六日間で、皮
膚から消えてなくなります。 お年よりの場合は二週間ぐらい残ることもあります。 放射性同位元素を
使ったデータで確認されていますが、体内に残留・蓄積することはありません。』と書かれています。
もちろん、ステロイド外用剤推奨派の言うことです、嘘かも知れません。 しかし、吉●英介氏の方が正
しいという証拠もありません。 視野の偏狭な私は、高尾病院の江部康二氏の文章を支持します。」と
返答してお茶を濁しました。
しかし、その後によくよく考えてみたところ、ステロイド剤が皮下に蓄積するや否やという問いは、至極
簡単な話であることに気が付いたのです。
そもそもクスリを「ステロイド」などという拒否的先入観の働く名前で呼ぶから、「長期に連用すると残
留ステロイドが皮下に蓄積する」という否定的概念が何の疑問もなく受け入れられてしまうのであって、
「副腎皮質ホルモン」という名称を使えば、「皮下に蓄積する」などという主張が極めてオカシイというこ
とに容易に気付くハズです。
ステロイドとはホルモン剤のことであり、アトピー性皮膚炎の治療に使われるステロイドは、副腎皮質
ホルモン、つまり本来人間の体の臓器によって製造される化学物質を人工的に合成したものに過ぎま
せん。
もし、ステロイド外用剤が体内に蓄積してしまうのであれば、健康な人に於いて、彼の体の中で製造さ
れる副腎皮質ホルモンもまた、副腎が製造した分が蓄積して溜まってしまわなければなりません。
しかし、そのようなおかしな事実はありません。
では、化学的に精製された副腎皮質ホルモンは蓄積して、体内で製造された副腎皮質ホルモンは蓄
積しないのでしょうか?
それもまたおかしな話です。
同じ化学式で表される物質に対し、化学的な精製物と体内の製造物を識別する能力が人体に備えら
れているのであれば、人の体は、体内で製造された副腎皮質ホルモンにのみ、反応することが可能な
ハズです。 にも拘わらず、人の体は、化学的に精製された副腎皮質ホルモンにも反応してしまい、そ
の結果としてアトピー性皮膚炎の症状が抑えられます。 これこそが、人体に化学的な精製物と体内
の製造物を識別する能力が備わっていないことの証左であり、それ故、ステロイド外用剤を長期連用し
ても(“慣れ”に因ってクスリが効かなくなる現象は別にして)使用したステロイド外用剤が蓄積し得ない
のです。
加えて申し上げておきましょう。
皮下に蓄積したステロイド外用剤の濃度を調べようとしない皮膚科医に対し、糾弾する文章が、件の
ホームページ第4部【薬害】にありましたが、冷静に考えれば極めてお粗末な主張でしかありません。
そもそも副腎皮質ホルモンは化学物質であり、化学的に精製したものも、人体の中で臓器によって
製造されたものも同じ化学式です。
したがって、アイソトープを用いて同位体にするなどの処理を行わない限り、皮下の検査をしても、そ
れがステロイド外用剤が浸潤したものなのか、臓器で作り出された副腎皮質ホルモンなのかを区別す
ることは出来ません。
廃用し、副腎皮質の機能が完全に失われているのならともかく、皮下深部にステロイド剤の痕跡を確
認したとしても、普通に考えれば、それは臓器から運ばれたホルモンであり、それを捉えて「長期に渡
って連用されたステロイド外用剤が浸潤して蓄積したものだ」と騒ぎたてるのはお門違いというもので
す。
これは、他ならぬ彼自身のホームページ上で証明されています。
お気付きでしょうか?
「ステロイドは体内にたまるや否や」などということを、医者たる者がいつまでも机上で議論しているこ
と自体がおかしいのです。皮下脂肪にステロイドが滞留していることは、皮脂を採取して物理的に検出
できることだからです。」
・・・と、彼は、「皮下に蓄積したステロイド外用剤の測定は、皮脂を採って測定可能」と断言していま
す。
ところが、その次に続く文章は、
「アトピー性皮ふ炎の児童の体脂肪率を生体インピーダンス法で調べた。その結果、重症になるほど
体脂肪率が高いことがわかった。このことの主原因がステロイド外用剤の影響である可能性は否定で
きない。
(小田島安平 都立広尾病院小児科ほか 小児アレルギー誌V.10-4 P.491 1996)
これは皮脂を採取したわけではなく、外部から皮下脂肪の量を電気的に測定しています。ステロイド
が脂溶性の物質だということは、ステロイドは脂質と似た物質だということですから、ステロイドも皮下
脂肪も、インピーダンス測定器には類似のものとして検知されるでしょう。つまり、皮下脂肪にステロイ
ドが蓄積していれば、上記のような測定結果が得られるはずです。小田島氏の懸念は正しいと思われ
ます。」
・・・「皮脂を採っての測定」ではありません。
「生体インピーダンス測定法によって体脂肪率を測定」なのだそうです。
(注意[インピーダンス]=和訳:電気回路に於ける抵抗値。 “体脂肪率測定機能付き体重計”など
は、予め登録しておいた性別・身長、ならびに実貫した体重と両足間の電気抵抗値から体脂肪率を類
推する)
それは、皮下に蓄積したステロイド外用剤の量を
測っているのではありません。 体内脂肪の量を体
重比で測定しているだけです。
「ステロイドが脂溶性だから、高い体脂肪率は大量に蓄えられたステロイド外用剤の“証”」ってのは、
理論が飛躍し過ぎです。
それなら、体脂肪率の高い人は、全員が長期にステロイド外用剤を塗り続けてきた人達なのでしょう
か?
私なんて脱ステロイドに挑む前の“長期間ステロイド外用剤を連用し続けた”時でも体脂肪率は17.5し
かありませんでした。
地獄の脱ステロイド中〜断念〜ステロイド治療再開〜今まで、ずっと17.5前後であって、18を超えたこ
とはありません。
著者は、これを指して「それは、ずっとステロイドが蓄積したままで減らなかったんだ」と言うのかも知
れません。 しかし、そうすると、私の体から蓄積したステロイドが完全に抜けたら、体脂肪率は幾つ
になるのでしょうか? 12とか13とかいうスポーツ選手並みの体脂肪率まで下がるのでしょうか?
有り得ないでしょう、それは(笑)。
だいいち、「皮下脂肪にステロイドが滞留していることは、皮脂を採取して物理的に検出できる」んで
しょ? だったら、生体インピーダンスなんて測定しないで、さっさと皮脂を採取して物理的に検出すり
ゃイイじゃん。
やれば?
それにネ、「脂肪層というものはゴム風船のようなもので、ひとつひとつの脂肪細胞の中に脂肪分を
いくらでも取り込むことができ、限界がありません。だから相撲の小錦のように体重300キロに近い人も
できてくるわけです。脂肪分の代わりにステロイドのような脂溶性の物質が入ってきても、同じことが起
こります。ステロイドも、塗れば塗るほど皮下脂肪に溜まるのです。」てゆーのは、幾らなんでも書いて
て自分でオカシイと思わなかったの?
この文章を文字通り受け取ると、ステロイド外用剤を塗り続けると小錦のような百貫デブになっちゃう
ことになるよ。 なんぼなんでも、そらないやろ(笑)。
また、他にも愚かな記述が目に留まりました。
件のホームページ第4部【薬害】には、「その作用が、その場所に限定されていれば全身的な影響は
生じないでしょう。しかし、皮ふに擦り込まれたステロイドは、やがて血液にとけ込んで血流にのって全
身をめぐります。」との記述があります。
・・・おやおや、そんなに高濃度に浸潤できるのであれば、体の何処か一部分にステロイド外用剤を
塗れば、それだけで全身の皮膚炎を抑えることができてしまいますよ。
たしかにホルモンは、皮膚のバリア層を通過してしまう物質ですが、それでも通過するのは僅か2〜
3パーセントに過ぎません。
もし本当に塗布したステロイド外用剤の多くが皮下に吸収できるのであれば、塗ったステロイド外用
剤の上から亜鉛華を塗り付けて吸収効率を上げる『亜鉛華重層療法』という塗布方法は全く必要があ
りません。
そりゃまあ、最弱のステロイド外用剤で十分に抑えることが出来る軽微な皮膚炎に対し、最強のステ
ロイド外用剤を塗布するのであれば、[ 最強のステロイド ] = [ 表皮下に浸透する力が最大のステロ
イド ] ですから、皮下に多くのステロイドが浸透して、塗布されていない周囲の発疹まで抑え込んでしま
うでしょうけど。 そーゆーのは、あまり引用例として適切ではありません。
こうしたアトピービジネスが行うステロイド薬害の説明は、ステロイド内服剤・注射、あるいは最強のス
テロイド外用剤を長期連用した場合にのみ起こり得る副作用を、さも普通〜強程度の強さしかないステ
ロイド外用剤を適宜使用しただけで即時起こり得るのだと断言します。 そのような理論のスリカエに
騙されてはいけません。
こうした理論のスリカエは、たとえば、鬱治療に向精神薬を使う者に対し、「麻薬を使うのは身の破
滅」と説くのと変わりないのです。
もうひとつ矛盾に満ちた記述を指摘しておきましょう。
件のホームページ第4部【薬害】に紹介されている講演での発言に対する過剰反応です。
「1997年4月、岡山で開かれた日本皮膚科学会の市民公開講座で、パネリストの1人であった国立O
大学皮ふ科のT氏は、「ステロイド外用剤の適切な使い方」と題する講演を行い、その冒頭で満場の聴
衆に次のように警告しました。(記録が残っていないので匿名とします)
『みなさん、ステロイド外用剤を使うときは、きちんと医師によってアトピー性皮ふ炎であるとい
う診断を受けて下さい。これはとても大切なことです。アトピー性皮ふ炎ではない人にステロイド
を塗ると、たいへんなことになるんですよ(T氏 国立O大学皮ふ科 アトピー市民公開講座 講
演 1997年4月) 。』
聴衆はもちろん、アトピー性皮ふ炎で困っているから来ているわけで、その人たちに向かってT氏は、
『私たち皮ふ科医は、アトピー性皮ふ炎ではない人に塗ったらたいへんなことになる薬を、あなた方に
は塗るのだ』と言ったわけです。」とあります。
T氏が講演上で述べた「健常な肌にステロイド外用剤を用いてはならない」という警告は、「健康
な人にクスリを投与してはならない」というだけの意味しかありませ
ん。 極めて当たり前の話であり、それがステロイド外用剤の危険性の証明になると考える方が、ど
うかしています。
常識的に理解すれば、「健常な肌にステロイド外用剤を用いてはならない」という警告は、美肌薬など
にステロイド外用剤を使用することや、予防塗り(※)を戒めただけであり、「ステロイド外用剤が恐ろし
いクスリである」という意味ではありません。
(※注:予防塗り=皮膚炎の生じていない皮膚へ、予めステロイド外用剤を塗布することによって、炎症
の発現を未然に防ぐこと。 所謂「転ばぬ先の杖」。)
件のホームページの著者の頭に、「ステロイド剤は全て怖ろしい悪魔のクスリ」だという概念が刷り込
まれているから、こーゆー起こり得ない誤解をしてしまうのです。
そして、「ステロイド剤は全て恐ろしい悪魔のクスリ」だという概念は、こんなトンデモナイ発言を生みま
す。
「西岡氏の論点は、「ステロイドの内服は馬鹿げているが、外用ならよい」ということでしょうが、本稿で
は、内服がよいか外用がよいかなどは「論外」として論じません。ともかく、氏が私たちに伝えるのは、
今から30年前の医学部では、ステロイド使用が皮ふ科医院の経営と絡めて考えられていたことと、当
時はこのような先輩のアドバイスに従った医者もいた、ということです。」
>内服がよいか外用がよいかなどは「論外」として論じません。
とは、何と言う暴言でしょうか(驚)。
アトピー性皮膚炎の抗炎症剤として処方されるステロイド剤が、オソロシイ薬なのか、それとも単に
“慣れ”が生じるが故にコントロールし難いだけの薬なのか、その違いは、脱ステロイド推奨派も認める
通り、副腎皮質に対する廃用効果にこそ在るのですから、内用材と外用剤では連用に対する危険度
の評価が180度異なります。
もちろん、概念としてヤヴァイ影響力が懸念されるステロイド内服剤も、それを使わなければ抑えられ
ない症状に対しては正に必須であり、いたずらに素人判断で忌避して良いモノではありませんが、「内
服がよいか外用がよいかなどは「論外」として論じない」というのは、「抗癌剤は、正常な細胞に対して
毒性を持つものだから、全ての種類の癌において使用すべきではない」というヒステリックな抗癌剤否
定論と何ら変わる処がありません(※)。
※ 語り始めると長くなるので割愛しますが、現在の医学レベルで効果が確認できない種類の癌に対する抗癌剤の使用は、止
めるべきであると私は考えています。
丁寧に判り易く理路整然と説明されていても、それが故に正しいとは限りません。
アトピービジネスの詐話の大半は、中学生レベルの論法で見破ることが可能です。
私の説明を含め、アトピー性皮膚炎に関する全ての記述に対し、懐疑の目で真偽を見極める必要
があります。
何も金の亡者の臭いがプンプンするだけがアトピービジネスではないからです。
私は極めて安易に「アトピービジネス」という言葉を濫用します。
私が「アトピービジネス」と弾劾した個人・団体の幾つかは、金儲けを目的としてステロイドに警鐘を鳴
らしているのではないのかも知れません。
このページで俎上に上げたホームページの著者も、或いは「ステロイド被害を憂う善意の人」なのか
も知れません。 しかし、発言の根底に金儲けがあろうと無かろうと、その発言を信じることに因って
発生する被害に違いはありません。
発言者が誰であれ、原疾患としてアトピー性皮膚炎を持つ患者がステロイドをいきなり断った際に行
き着く先は、同じ地獄だからです。
そして、信じて取り返しの付かない結果になっても、発言者は何の責任も負いません。
脱ステロイドに因ってステロイド皮膚症が治った元患者が、「脱ステロイドは有効」と証言する限り、ア
トピービジネスを訴えて賠償させることは非常に困難です。 そして、そのような証言が有る限り、脱
ステロイドを勧める善意の第三者もまた、被害者に対してホームページを閉じるなどの誠意を見せるこ
とはありません。
被害者にとって、脱ステロイドを勧める者がアトピービジネスか否かは、問題ではないのです。
皮膚炎の症状の原因が原疾患を持つアトピーなのか、はたまたステロイド皮膚症なのか、それを見
極めずに脱ステロイドを行うことが問題なのであり、そこへ言葉巧みに誘導することが犯罪なのです。
ですから、極言ではありますが、たとえ善意の第三者であっても、安易に脱ステロイドを勧める者は、
アトピービジネスと呼ばれても仕方がありません。
件のホームページは残念なことにアトピーグッズ
のオンラインショップを兼ねており、色眼鏡でみれば「金儲けとしての
アトピービジネス」に分類されてしまいます。
しかし、同様に脱ステロイドを薦めるサイトの中には、(数は少ないものの)何か商品を売っているワ
ケでもなく、特定の治療法を実践するグループへの入会を呼びかけるワケでもないホームページも存
在します。 それらのホームページの著者たちは、見方を変えれば、「巷に蔓延る悪徳皮膚科医とペ
ンで闘う正義の味方」気取りで悦に浸っているカワイイ小僧なのかも知れません。 しかし、それでも
彼を信じて脱ステロイドに踏み切った人が居れば、たまたま全員が原疾患の無いステロイド皮膚症で
あるという偶然が起らない限り、私のような被害者が生まれてしまうのです。
私は、「私は正しい。 私を信じろ」とは申しません。
検索エンジンに「アトピー性皮膚炎」や「ステロイド」などのキーワードを入力してピックアップされるウ
ェイブサイトは十分に吟味して取捨選択することが不可能なほど数多です(平成16年2月末現在:
google=15300件、infoseek=2035件)。 この中から、貴方は此処を訪れました。 これは、奇跡の
出会い以外の何者でもありません。 というのも、検索エンジンでアトピー性皮膚炎関係のサイトを検
索した場合、ヒットするホームページは、大半が脱ステロイドを推奨するサイトだからです。 しかも、
皮膚科医のホームページを除けば、ステロイド外用剤の使用を推奨するホームページは、決して多くあ
りません。
もし貴方がステロイド外用剤を使ったアトピー性皮膚炎の治療に疑問を感じ、脱ステロイドという選択
肢に魅力を感じているのであれば、この出会いを無かったことにしないでください。
是非、このホームページに綴られた「アトピー性皮膚炎」というデータベースページにちゃんと目を通
し、本当に脱ステロイドでアトピー性皮膚炎が治るのかをじっくり時間を掛け、自分の頭で考えて判断し
て下さい。
すべての情報を鵜呑みにするのであれば、貴方は今回脱ステロイドの魔の手から逃れても、結局人
に騙されて搾取されてしまうでしょう。 他の誰も貴方の決断に対して責任を負いません。 貴方の
身も心もお財布も、貴方自身で守るしかないのです。
どのような結果に至るとしても、「自分で十分に検討し、決断したのだから悔いはない」と言えるまで、
灰色の脳細胞をフル稼働して考えて考えて考え抜いて下さい。
他人のお為ごかしな囁きに乗って地獄を見た私からの警告です。
アトピービジネスの詐話には必ず矛盾があります。
それを見破るのは、ゲームの【逆転裁判】よりも簡単なのです。
自分にとって都合の良い話は、決して全てを信用
しない。
これが、貴方を全ての詐話から守る術なのです。
さて、「私の説明を含め・・・」と話の矛先がこちらを向いたついでに、私の近況に触れておくことにしま
しょう。
かつて高槻市の某アトピービジネスに騙され、肉親でも顔を背けんばかりの重度皮膚病患者にされ
た私が、京都の高尾病院へ助けを求めて早2年半以上が経ちました。
病院へ駆け込み、再びステロイド外用剤を使ったのですが、重症化した皮膚炎を落ち着かせるだけ
で半年くらいかかりました。
この間のステロイド外用剤の使用量は、ステロイド否定論者でなくても怖くなるほどでした。
なにせ強クラスの【ネリゾナ】をワセリンで半分に薄めたものを、2週間に100g以上使っていたのです
から尋常ではありません。
しかし、人と呼ぶのが憚られる程醜く焼け爛れた皮膚を元に戻すためには、少なくとも治療初期には
それだけの量が必要だったのです。
さらに1年間くらいは、病症が良くなったり悪くなったりを繰り返しました。
その間、なるべく“慣れ”を生じないように、たとえ一日しか我慢出来なくても、可能な限り休薬期間を
設けるように努力しました。
しかし、連用すれば炎症が引くが、休薬すれば直ちに悪化するという繰り返しで、徐々に“慣れ”が生
じてきました。
やがて【ネリゾナ】をワセリンで半分に薄めたものでは炎症を抑えることが出来なくなり、已む無くステ
ロイドを強いものに替えました。 といっても、ワンランク上げたのではありません。 同じ「強」クラス
の中で少し強いステロイド外用剤【プロパデルム】に替えたのです。
脱ステロイド以前の私であれば、ステロイド外用剤をより強いものへ変えることに大きな不安を感じた
ことでしょう。
かつて、同様にステロイド外用剤の変更を余儀なくされた際、「やはりステロイドは次々に強いランク
へ替えて行かなければならない怖ろしいクスリだ。」と考えて脱ステロイドに走ったのですから。
でも、原疾患のあるアトピー性皮膚炎患者にとって、脱ステロイドが如何に怖ろしいものであるかを身
をもって体験した私は、もはやアトピービジネスが創造したロジックに再度ハマることはありませんでし
た。
意外なことに、クスリが【プロバデルム】をワセリンで半分に薄めたものに替わったことによって、「ス
テロイド外用剤で炎症を抑え、十分に炎症が抑えられたら休薬する」という休薬サイクルが実現しまし
た。
そうです、十分な強さのステロイド外用剤を使っているつもりだったのですが、脱ステロイドによって一
旦劇症化した私の皮膚疾患に対し、【ネリゾナ】をワセリンで半分に薄めたものでは弱すぎたのです。
やがて、少々痒みが出ても、ステロイド外用剤を使わずとも【メンソレータムADかゆみ止めスプレー】
などの市販の非ステロイド系鎮痒薬で凌げるようになりました。
今、ステロイド外用剤は、1ヶ月に50gも使用しません。 20〜30gくらいでしょうか。 20gは、2年半前
の僅か10分の1に過ぎません。
世に在るアトピービジネスのサイトや刊行物は、すべてこう言います。
「ステロイド外用剤を徐々に減らすことは不可能だ」と。
不可能も何も私が生き証人です。
ここに正に、アトピー性皮膚炎の原疾患を持ちながら、ステロイド療法を信じて脱ステロイドに至った
個体が存在するのです。
モチロンまだ完全にステロイド外用剤と手が切れたわけではありません。
相変わらず暖かい環境に置かれると、全身のあちこちに強い痒みを覚えます。
しかし、わずかなステロイド外用剤で温度環境にさえ気を配れば、「痒み」という苦痛の無い生活が送
れているのですから、これはもうゴール地点と言っても過言ではないと思います。
僅かなステロイド外用剤の使用を後ろ指さして「ステロイド中毒患者」と罵るアトピービジネス共もいる
でしょう。 「なんだかんだ言って、まだ痒いんじゃねーか」とか、「なんだかんだ言って、まだステロイド
を手放せないんじゃねーか」と。
そうです。 その通りです。 それで何が悪いのでしょう。
慢性疾患の患者が、何不自由なく他者と共存し、症状の悪化やクスリの副作用などに悩まされること
すらない。 これで不満を言ったら、贅沢すぎて糖尿病患者(私もそうですが)に殴られてしまいます。
これから先、どんどん症状が快方に向かって、やがて肌に沈着した醜い痣・シミが消える日がくるか
も知れません。
いいえ、この右肩下がりの症状緩和からみれば、その日は必ずくるハズです。
私は今から、その日がとても楽しみです。
■□■2007.02.03■□■
秘密の掲示板の方で笑い者にしたのですが、過去に沈んじゃったので、ここで改めて晒し者にしま
す。
この“あるホームページ”の著者は自称 1971年 京大工学部 原子核工学科卒 & 1974年 京大
化学研究所大学院終了 ってゆーバリバリの科学者上がりのハズ。
ところが、彼のwebサイトはウチの嫁さんでもクチにしないような超デタラメ文系似非理系なんですよ。
これで人を騙して怪しげな浄水器売りつけようなんて片腹痛いっつーか、臍が茶を沸かしそうです。
まずは、TOPページから各ページをご覧下さい。
記事がもう痛いの何のって凄いデタラメで気が遠くなりそうです。
正直、中学生が読んでも「あいたたた。ありえね〜」って思いますよ。
とりあえず、秘密の掲示板で挙げたページを解体してしまいましょうか。
「閑話休題 ボールの回転についての考察 2006.12.20 」です。(後日談:消されてしまいました)
「丸いボールの場合は、回転と空気抵抗の関係は下図のようになっている。
白い矢印の方向に進むボールが赤い矢印のように回転しているとする(※)。 これを順回転と呼ぼ
う。
※:左から右へ飛球している時に時計方向に回転
空気の相対的な流れは緑の矢印のようになるから空気抵抗はボールの上部で大きく、ボールの下部
で小さくなる。その結果ボールは青い矢印のように、回転していないボールに比べて大きく落下するよ
うになる。
ボールが赤い矢印のように回転しているとする(※)。 これを逆回転と呼ぼう。
※:左から右へ飛球している時に反時計方向に回転
空気の相対的な流れは緑の矢印のようになるから空気抵抗はボールの下部で大きく、ボールの上部
で小さくなる。その結果ボールは青い矢印のように、回転のない場合に比べて落下の度合いは少なく
なる。 」
…いやいやいや。
1971年 京大工学部 原子核工学科卒
1974年 京大 化学研究所大学院終了
って肩書き持っていて『ベルヌーイの定理』を知らないってのもチョッチ信じられないマヌケっぷりなん
だが。
回転する球体が放物線から外れる理由は、「空気抵抗の差」ではなく「圧力の差」。 ベルヌーイの定
理に従って振る舞う空気が、球体表面との相対速度が大な時に低圧となるため、より低圧な方向に力
が作用するからでしかない。
「たとえば、下手投げの投手の速球はホームベース近くで浮き上がって来るように見える。それは、下
手投げが逆回転をかけやすい投法であることと、ボールが地面すれすれから上に向かってくるからで
ある。だから下手投げの投手が思い切り逆回転をかけたボールを、時速200キロくらいのスピード(松
坂が150キロくらい)で投げることができたら、風向きによってはボールは実際にホップするかも知れな
い。」
…おいおいおいってゆーか、小学生でも分かる間違いを…
ボールを投げる時、上手投げなら投げ終わりに指先はボールの上から下へ走る。 逆に下手投げな
らボールの下から上だ。
当然のことながら、普通に上手投げをすればボールは逆回転となり、普通に下手投げをすればボー
ルは順回転になる。
ということは、「下手投げが逆回転をかけやすい投法」は間違い。 正しくは、「下手投げは順回転を
かけやすく、上手投げが逆回転をかけやすい投法」なんである。
つまり、「下手投げの投手の速球はホームベース近くで浮き上がって来るように見える」 → それ即
ち、「目の錯覚」だということの証左なんですよ。 まぬけ〜(笑)。
「これまで、誰も実際に野球のボールをホップさせることはできなかった、というのはおそらくそうだろう
が、今までなかったから絶対にないのだ、という考え方は誤りである。」
…野球のボールを人力で投げてホイップさせることは、絶対に不可能だ。 それは「百メートル走
で7秒を切ることは、今までなかったから絶対にないのだ、という考え方は誤りである。」というの
に等しい。 たとえどれ程鍛え上げても人力の上限はそれほど高くない。 ドーピングで筋力を上げ
ても骨が持たない。
「科学的ではない、ということでもうひとつ指摘しておくと、ニセ科学批判者たちは一様に「一度投げてし
まったボールは加速されない」と、したり顔に教訓を垂れているが、これはまったく科学的に大間違いな
のである。
なぜならボールは落下運動をしているのであって、落下運動は加速度運動だから、ボールはどんど
ん加速しているのである。 高いビルの上からボールを投げれば、ボールはどんどん加速する。 も
しピッチャーマウンドが10メートルの高さにあったら、そこから投げおろすボールは打者に向かって
刻々と加速してくるだろう。現実のピッチャーマウンドは数十センチの高さだが、それでも実際にマウン
ドに立ってみると、思いがけず高い。 バッターを見下ろす位置である。 そこから長身の投手が渾
身の球を投げおろしたら、実際に加速することもあると思われる。」
…「一度投げてしまったボールが加速されない」のはアタリマエの話だが「投球方向に対して」である。
重力加速度は鉛直方向にしか働かない。 だから 「一度投げてしまったボールは、投球方向に加
速されない」のは当然のアタリマエだ。 それとも何か? 京大工学部卒&研究所大学院終了を相
手に、わざわざ“投球方向に対して”と但し書きしなきゃならんのか?
「打球が飛ばないような逆回転の投球を実現するのに必要な動きとは、ボールを手から離す最後の最
後まで、手首から指の関節まで制御して、最後に指先で出来るだけの逆回転をかける、ということだろ
う。
〜<中略>〜 体重が乗ったボールは『重い』し、体重が乗っていないボールは『軽い』ことになる。」
…違う。
漫画と違い実際のバッティングフォームに於いて、下から上にフルスイングすることは出来ない。
人間工学的に肩の上から斜め下に向かって しか 力強いフルスイングをすることは出来ないのだ(ホー
ムランとなる飛球方向にフルスイングすることは不可能)。
そうした軌跡で叩かれたボールは必然的に縦回転(※)をする。
※:観測者から見て打球が右から左へ飛ぶのであれば時計方向の回転
バットの軌跡がボールの中心を通らない以上(※)、ボールへ伝わるべき打撃力は、この回転に因って
ある程度逃がされてしまう。
※ ダウンスイングでバットの軌跡がボールの中心を通ったら、ボールは地面に向かって飛んでしまう。
ということは、ピッチャーの投げたボールが(同じ観測者から見て)反時計方向に回転していたなら、
バットに衝突した際に投球の回転を押し留められるため、見掛け上バットの軌跡がボールの真芯を通
るのと同じ状態になる。
だから上手投げで普通に投げるボールは、良く飛んでしまうのだ。
それに対して「重い」と評価されるボールは、投球時の縦回転が弱いので、打球が強く回転して力が
逃げてしまい余り遠くまで飛ばないのだ。
投球の「重い」「軽い」は縦回転の違いである。 体重の「乗る」「乗らない」とは関係が無い。
一方、体重の「乗る」「乗らない」は投球フォームの軸のブレが原因である。
軸がブレると手を速く振るために必要な各間接の移動速度が落ちるために、球速が落ちるのであ
る。
つまり、体重の乗った投球は球速が速く、体重の乗らない投球は球速が遅い…そういうハナシだ。
「なぜ、回転をかけるとボールや弾丸はまっすぐに飛ぶのか。あるいは逆に、ナックルボールのように、
まったく回転がかかっていないボールは、なぜまっすぐに飛ばないのか。
それは空気がゆらいでいるからだろう。ゆらぐ空気をつんざいて、まっすぐに飛行するには、自身が進
行方向とは直角の面で回転している必要があるのだ。逆に、回転していない物体は、ゆらぐ空気の中
でゆらいでしまうのである。」
…「だろう」って何だよ(笑)。 高速で飛ぶ球体が真っ直ぐ飛べないくらいに気圧の乱れがあった
ら、呼吸できないっての。
回転しないボールが不安定なのは、野球のボールが真球ではなく、表面に縫い目という突起がある
から。
この突起と真球度の低さの所為で回転していないボールは真っ直ぐに飛べないのである。
一方、回転する弾丸が真っ直ぐに飛ぶのは、理屈が全く異なる。
弾丸は球体ではないから少しでも進行方向に対して傾くと、アサッテの方向に行ってしまう。
弾丸を回転させるとジャイロ効果によって傾かない。 だから、回転する弾丸は、真っ直ぐ飛ぶので
ある。
「ボールはホップしない、というのは間違いである。」
…ハナシをスリ替えないで頂きたい。 比重の軽い中空のボールならホイップさせることは可能。
ただし、中実で比重の重い野球のボールを、人間が手で投げてホイップさせることは不可能だ。
……というカンジで、彼のwebの一ページを丸々検証したわけだが、驚かれた方も居られるだろう。
なにせ、書いてあることが全部嘘なんだから。
松●医院のwebサイトもそうなんだけど、どうしてこうも似非科学者ってやつは基礎的な知識が根本
から欠如しているんだろうか?
学歴詐称にしろ何にしろ京大工学部なんて書くからには、せめて数百円で売っている理系雑学本程
度の理科知識くらいは、理解してから文章を書いて欲しい。
読まされる方の身にもなれ!
ちなみに、彼の本業であるインチキアトピーグッズの【マイナスイオン浄水器】に関しては、去年(2006
年)の12月21日に掲載された痛いニュースのコメント欄で叩かれ済みなので、ココでは割愛します。
(当該URL:http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/880979.html)
マイナスイオン商法を叩いたホームページは、検索エンジンでキーワード「マイナスイオン」をググると
幾らでもHITしますので、時間のある方は一度ご笑覧下さい。
↓以下、代表的なものを幾つか↓
・東京くらしweb
→ 科学的根拠をうたったネット広告にご注意!
「マイナスイオン商品」表示を科学的視点から検証しました
・市民のための環境学ガイド
→ マイナスイオンの終焉 12.03.2006
→ マイナスイオン定点観測 09.19.2004
→ 似非科学撲滅の講演 03.08.2003
→ マイナスイオンで非難された 07.08.2003
→ 高校の先生のために書いたマイナスイオン 08.31.2003
→ あるある大事典のマイナスイオン2 01.27.2002
→ マイナスイオンについてのコメントと質問 02.03.2002
→ 久しぶりのマイナスイオン 04.29.2002
→ マイナスイオンを擁護する人からの反論 07.04.2002
→ マイナスイオン代理戦争 07.06.2002
→ マイナスイオンと地震予知 07.07.2002
→ マイナスイオン討論会に向けて 12.01.2002
→ マイナスイオンはインチキか 08.04.2001
・マイナスイオン批評特集
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