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よろずQ&A

 【宇宙論】 150億年彼方に輝く星までの現在の距離は?(1)
【問】 150億光年彼方に星が観測され、なおかつ宇宙の年齢が150億年であるという話が納得でき ません。
 150億光年かなたの星を仮にA星としましょう。
 現在の宇宙の膨張速度が光速であって、150億光年彼方から発せられた光が地球に届いているの であれば、現在のA星の位置は地球から300億光年離れているのではないのですか?
 以下に私の推論を展開します。

 150億光年の長さのモノサシがあったとしましょう。今、モノサシのこちら側には地球があり、モノサシ の向こう側にはA星があります。ここまではよろしいですね。さて、では150億年前に溯りましょう。A星 は地球(地球はまだ無かったと思いますが)の至近距離にありますね。問題はモノサシの「長さ」です。
  今、二通りの仮説を立てます。まず、空間そのものが膨張する宇宙であって、この時点のモノサシの 長さも限りなくゼロに近いと考えます。そして、150億光年分の目盛が入っています。ちなみに目盛間 隔は非常に細かいです。この場合のモノサシを「相対的モノサシ」と呼びましょう。そうではなくて、モノ サシの長さも目盛間隔も常に一定と仮定した場合のモノサシを「絶対的モノサシ」と呼びます。A星と地 球との間の距離目盛はほとんどゼロです。この際、モノサシが宇宙空間の外にはみ出した部分はとり あえず無視して下さい。目盛を仮想しているのであって、そもそもモノサシなど有り得ないのですから。
  さて、「絶対的モノサシ」の場合、空間が膨張しているのではなく、単にA星が遠ざかっているという事 です。距離目盛はほとんどゼロですから光は一瞬の後には地球に到達してしまう様な気がしますが、 百歩譲って150億年後ようやく地球に届いたとしますと、A星は無事150億光年かなたに到達します。 勿論その時のモノサシの目盛は150億光年ですね。ただし、地球に到達した光が光ったのは至近距 離にあった時ですから、見かけのA星は至近距離にある様に観測される筈です。つまり150億光年よ り近くに見える筈だという事になりますから、「絶対的モノサシ」説は覆ります。
  では「相対的モノサシ」説の場合はどうでしょうか。同様に光は150億年後ようやく地球に届き、A星 は150億光年かなたに存在します。空間そのものが膨張している訳ですから、この場合モノサシも一 緒に伸びて行きます。地球に到達した光が光ったのは至近距離にあった時ですが、モノサシの目盛は 当時も今も150億光年ですから、見かけのA星は150億光年かなたにある様に観測されます。しか し、考えてみれば見かけのA星は常に150億光年の位置に存在している事になるのです。つまり、いく ら宇宙が膨張しても収縮しても、A星は遠ざかる様にも近づく様にも見えず、見かけの宇宙は膨張して いる様にも収縮している様にも見えないという事です。もう一度150億年前に溯って下さい。A星は至 近距離にあると言いましたが、モノサシの目盛は150億光年でした。しかも困った事に、光速さえも宇 宙の膨張や収縮に合わせて変化するという事になってしまいます。1光年進むのに1年かかる事に変 わりはありませんが、その1光年自体が伸び縮みするのですから。第一、そうなると赤方偏移は観測さ れない筈です。A星が遠ざかるのと比例して光速も速くなると、ドップラー効果が得られないからです。 ここでもし空間の膨張にかかわらず光速を一定と仮定してしまうと、「絶対的モノサシ」と同じ事になって しまいます。光速が空間の膨張の影響を全く受けないという事は、つまり、至近距離で光った光はA星 の移動や空間の膨張やインフレーションとは無関係に、一瞬の後に地球へ到達してしまうし、百歩譲っ て150億年かかったとしても見かけのA星は至近距離にある様に観測される筈です。しかも余談です が、1光年という単位の呼称を変えなくてはなりません。宇宙が更に膨張すると、光が1光年進むのに 2年も3年もかかる時代がやって来る事になります。
  空間が膨張しているのか、それとも単にA星が遠ざかっているのか、空間が膨張しているとするなら 光速が一定だと認めざるを得ず、単にA星が遠ざかっているとしても光速が変化する謂れはなく、いず れにせよ現在観測される150億光年かなたのA星は、150億年前に「そこに」あったという事に他なら ないのではないでしょうか。
  で、「絶対的モノサシ」の返り咲きです。前述の様に地球に到達した光が光ったのは至近距離にあっ た時ですから、見かけのA星は至近距離にある様に観測される筈です。じゃあ至近距離とは何光年 か、あるいは何ナノメートルかという疑問が生じます。ビッグバン直後のA星の位置です。前述の説が 正しければ、150億年前すなわちビッグバン直後にA星があったのは150億光年かなたですね。とい う事は、至近距離とは150億光年かなたという事になります。宇宙は誕生直後、我々が現在観測して いるスケールに達したという事です。
  何だそんな事かと早合点するのは甘い考えです。今、至近距離を強引に150億光年としましたが、ビ ッグバン直後をもう少し溯って見ましょう。つまり150億光年の位置に達する直前のA星が観測出来な いのはなぜでしょう。あるいはA星より遠い所にあるB星でもいいです。インフレーションの瞬間のB星 が観測出来ないのはなぜでしょう。それはインフレーションの為に空間が光速よりも速く膨張したから だと言いたいでしょう。しかし残念ながら、「相対的モノサシ」は既に否定されています。光速が空間の 膨張の影響を全く受けないという前提を認めないと、赤方偏移は観測されない筈なのです。つまり、イ ンフレーションの瞬間のB星が観測出来なければならないのです。少しややこしい話になりますが、15 0億年プラス数秒前、インフレーションの瞬間に、現在の150億光年の地点を通過したB星の姿は、現 在の地球に届く筈です。つまり、インフレーションの瞬間は恒常的に観測出来なければならないので す。しかし、今の所インフレーションの瞬間は観測されているとは言えません。あるいは、あまりに激し い赤方偏移の為に可視光線ではなく、赤外線や、あるいは観測不可能な周波数域なのかも知れない のですが。もしくはひとつの星にとってはあまりにも一瞬の事なので、見逃しているだけなのかも知れま せん。今の所これが最も有力な仮説だと思いますが、せっかくですから話を更に展開してみましょう。
  ではここで、「絶対的モノサシ」説と「相対的モノサシ」説とを合体してみましょう。つまりインフレーショ ンの瞬間の宇宙は空間そのものが膨張し、その後の宇宙は単に星が遠ざかっているだけだと考える のです。こう考えると辻褄が合います。150億年前、インレーションによりA星までの宇宙空間が現在 の150億光年に達したとします。「相対的モノサシ」ですから、見かけのA星は150億光年かなたにあ る様に観測されます。そして、空間の膨張は止まり、今度は単にA星そのものが遠ざかって行きます。 「絶対的モノサシ」ですから、赤方偏移が観測されます。そして、最大の疑問である宇宙の年齢は、15 0億年という事で何ら問題がありません。
  この説が正しいとすると、光速が空間の膨張の影響を受けても矛盾しないので、もしB星のインフレー ションの瞬間が観測出来れば、B星は遠ざかって行く様には見えず、B星の赤方偏移は観測されない 事になります。
  ところが、この「絶対的モノサシ相対的モノサシ」合体仮説にも無理があります。なぜインフレーション が突然終わって空間の膨張が止まり、続いて空間の中における慣性の法則を無視して星が遠ざかり 始めるのかという疑問です。そこで、ふたつの事が同時に起きていて、現在も同時進行していると考え るとどうでしょうか。つまり、ビッグバンの後、インフレーションは存在せず、比較級数的に空間が膨張 し、その膨張している空間の中で、さらにA星も遠ざかりつつあるという訳です。これを「巻尺」説とでも 名付けましょう。ビッグバン直後、地球とA星との間は至近距離ですが、巻尺の目盛は150億光年で す。光は150億年後ようやく地球に届き、A星自体は更に遠ざかっていますから300億光年かなたに 存在します。空間そのものが膨張している訳ですから、この場合巻尺の目盛も一緒に伸びて行きま す。地球に到達した光が光ったのは至近距離にあった時ですが、巻尺の目盛は当時も今も150億光 年ですから、見かけのA星は150億光年かなたにある様に観測されます。光速は宇宙の膨張や収縮 に合わせて変化するという前提ですから、本来赤方偏移は観測されない筈ですが、A星自体が遠ざか って行くので、赤方偏移は観測されます。そして、慣性の法則には反しておらず、宇宙の年齢は150億 年という事で何ら問題がありません。
  しかし、この考え方にも矛盾があります。空間のない所へ星がはみ出してしまうのです。かといって開 いた三次元球の宇宙観では、いずれA星が反対方向から近付いて来る事になります。それとも、今の 所A星は空間のキャパシティの中に収まっているのでしょうか。だとすると、巻尺の目盛は少なくとも30 0億光年なければなりません。なおかつA星から向こうには星が存在しないという偶然に期待しなけれ ばならないのです。これは地球が宇宙の中心という事を意味しますから、ほとんど有り得ないという事 になります。
  そんな訳で、久々に脳味噌をフル稼動したので疲れました。自分としては「絶対的モノサシ」説を支持 しますが、いくらインフレーションとはいえ150億光年を瞬間移動するのは反則技だと思います。やは り宇宙の年齢を300億年とした方がスッキリします。さて、いかが致しましょうか。
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【答】 長文御苦労様というか・・・もう少し改行して頂かないと読み辛いですよ。
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> シロウト考えの宇宙論の続きです。150億光年かなたに星が観測され、なおかつ
> 宇宙の年齢が150億年であるという話です。
> やはり宇宙の年齢と大きさとの矛盾点が理解出来ません。
> 150億光年かなたの星を仮にA星としましょう。
> そして150億光年の長さのモノサシがあったとしましょう。
> 今、モノサシのこちら側には地球があり、モノサシの 向こう側にはA星があります。
> ここまではよろしいですね。
 はい。
 よろしいです。
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> さて、では150億年前に溯りましょう。
> A星は地球(地球はまだ無かったと思いますが)の至近距離にありますね。
> 問題はモノサシの「長さ」です。
> 今、二通りの仮説を立てます。
> まず、空間そのものが膨張する宇宙であって、この時点のモノサシの長さも限りなく
> ゼロに近いと考えます。
 モノサシと言う物を設定するのであれば、それは観測者の立場に関係なく絶対不変でなくてはなりませ ん。
 でなければ、何に対して延びたのか縮んだのか判別できなくなります。
 貴殿の仮説も、「限りなくゼロに近い長さのモノサシ」という比較対象を前提にしたモノサシを設定して います。
 この時、「モノサシ」と称されるべきは、「ゼロに近い長さ」という長さを規定するために存在する側のモ ノサシです。
 つまり、光速という絶対不変のモノサシに対して、長さが限りなくゼロに近いモノサシが存在し得るので す。
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> そして、150億光年分の目盛が入っています。
> ちなみに目盛間隔は非常に細かいです。
> この場合のモノサシを「相対的モノサシ」と呼びましょう。
> そうではなくて、モノサシの長さも目盛間隔も常に一定と仮定した場合のモノサシを
> 「絶対的モノサシ」と呼びます。
> A星と地球との間の距離目盛はほとんどゼロです。
> この際、モノサシが宇宙空間の外にはみ出した部分はとりあえず無視して下さい。
> 目盛を仮想しているのであって、そもそもモノサシなど有り得ないのですから。
> さて、「絶対的モノサシ」の場合、空間が膨張しているのではなく、単にA星が
> 遠ざかっているという事です。
> 距離目盛はほとんどゼロですから光は一瞬の後には地球に到達してしまう様な
> 気がしますが・・・
 ここでひとつ間違いを犯しています。
 「距離目盛がほとんどゼロ」なのは、ほとんどゼロ時間の瞬間だけです。
 光が「一瞬の間」に進んだ距離よりも、空間が「一瞬の間」に広がって、A星が遠ざかる距離の方が遥 かに長いのです。
 ですから、「光は一瞬の後には地球に到達してしまう」事はあり得ません。
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> 百歩譲って150億年後ようやく地球に届いたとしますと、A星は無事150億光年
> 彼方に到達します。
> 勿論その時のモノサシの目盛は150億光年ですね。
 単なる言葉遊びのような気もしますが、それはそうでしょう。
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> ただし、地球に到達した光が光ったのは至近距離にあった時ですから、見かけの
> A星は至近距離にある様に観測される筈です。
 何を持って至近距離にあったと見做すかが問題になりますね。
 現在観測される対象の、何を持って至近距離と見做すのですか?
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> つまり150億光年より近くに見える筈だという事になりますから、
> 「絶対的モノサシ」説は覆ります。
 150億光年よりも近くに見えているという証拠がなければ、覆りません。
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> では「相対的モノサシ」説の場合はどうでしょうか。
> 同様に光は150億年後ようやく地球に届き、A星は150億光年彼方に存在します。
> 空間そのものが膨張している訳ですから、この場合モノサシも一緒に伸びて行きます。
 この考え方は、根本的に発想その物が間違っています。
 今、目の前にモノサシを用意したとしましょう。
 いえ、実際に目の前にモノサシを置いて頂いた方が分かり易いでしょう。
 空間の膨張によって、このモノサシが伸びるとしたら、一体何が起こるのでしょうか?
 モノサシが延びて、モノサシ以外の物は延びないのでしょうか?
 空間が膨張してモノサシが延びるのであれば、机も延びます。
 パソコンも延びます。
 そして、この長文に付き合って下さる貴方も延びます。
 何もかも全てが延びるのです。
 であれば、その「延び」は何に対して「延びた」と言えるのでしょうか?
 「延びた」ということは、延びていない尺度が存在していると言う事です。
 空間が膨張して分子の大きさ、原子の大きさ、クオークの大きさまで何もかもが大きくなるのであれ ば、其処には大きく成った事を認識する観測者が存在し得ません。
 つまり、何も変わらないのです。
 150億光年が、延びたモノサシに対して150億光年なら、
1cmも、延びたモノサシに対して1cm。
 光も延びたモノサシに対して秒速30万キロメートル進みます。
 何処かに延びる前のモノサシを置けない限り、光速が秒速20万キロメートルになったり、40万キロメ ートルになったりする訳ではありません。
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> 地球に到達した光が光ったのは至近距離にあった時ですが、モノサシの目盛は
> 当時も今も150億光年ですから、見かけのA星は150億光年彼方にある様に
> 観測されます。
> しかし、考えてみれば見かけのA星は常に150億光年の位置に存在している事に
> なるのです。
 これが間違っていることはもう御理解いただけましたね。
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> つまり、いくら宇宙が膨張しても収縮しても、A星は遠ざかる様にも近づく様にも見えず、
> 見かけの宇宙は膨張している様にも収縮している様にも見えないという事です。
 そうです。
 長さを測る基準も延びてしまうのであれば、距離の数字は意味を成しません。
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> もう一度150億年前に溯って下さい。
> A星は至近距離にあると言いましたが、モノサシの目盛は150億光年でした。
> しかも困った事に、光速さえも宇宙の膨張や収縮に合わせて変化するという事に
> なってしまいます。
> 1光年進むのに1年かかる事に変わりはありませんが、その1光年自体が
> 伸び縮みするのですから。
 地球から1万光年離れたC星までの距離が1年間に10001光年に離れたと仮定しても、光が1秒間 に30万3百キロ進むのであれば、地球からC星までの距離は相変わらず1万光年ですよ。
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> 第一、そうなると赤方偏移は観測されない筈です。
> A星が遠ざかるのと比例して光速も速くなると、ドップラー効果が得られないからです。
 A星が遠ざかるのと光速は無関係だというだけの話ですね。
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> ここでもし空間の膨張にかかわらず光速を一定と仮定してしまうと、
> 「絶対的モノサシ」と同じ事になってしまいます。
> 光速が空間の膨張の影響を全く受けないという事は、つまり、至近距離で光った光は
> A星の移動や空間の膨張やインフレーションとは無関係に、一瞬の後に地球へ
> 到達してしまうし、百歩譲って150億年かかったとしても見かけのA星は
> 至近距離にある様に観測される筈です。
 どうして、「一瞬」をゼロ秒と捉えてしまうのですか?
 たとえ1万分の1秒でも十万分の1秒でもゼロではありませんよ。
 宇宙が膨張していなければ、1億分の1秒で光が届いてしまう至近距離でも、その至近距離が光速以 上の速度で離れていれば、光はいつまで経っても届きません。
 超音速ジェット機に音が追い付けないのと同じ事ですよ。
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> しかも余談ですが、1光年という単位の呼称を変えなくてはなりません。
> 宇宙が更に膨張すると、光が1光年進むのに2年も3年もかかる時代がやって来る事に
> なります。
 こないこない。
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> 空間が膨張しているのか、それとも単にA星が遠ざかっているのか、空間が膨張して
> いるとするなら光速が一定だと認めざるを得ず、単にA星が遠ざかっているとしても
> 光速が変化する謂れはなく、いずれにせよ現在観測される150億光年かなたのA星は、
> 150億年前に「そこ」にあったという事に他ならないのではないでしょうか。
 150億年前にあった「そこ」は地球のすぐ隣ですがね。
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> で、「絶対的モノサシ」の返り咲きです。前述の様に地球に到達した光が光ったのは
> 至近距離にあった時ですから、見かけのA星は至近距離にある様に観測される筈です
 いや、だから・・・何を持って現在の観測結果が「至近距離」になるというのですか?
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> じゃあ至近距離とは何光年か、あるいは何ナノメートルかという疑問が生じます。
> ビッグバン直後のA星の位置です。
> 前述の説が正しければ、150億年前すなわちビッグバン直後にA星があったのは
> 150億光年彼方ですね。
 いいえ、ビッグバン直後、学説的には、10のマイナス43乗秒後に、宇宙の大きさは10のマイナス33 乗センチメートルだったとされています。
 10のマイナス20乗秒後に8万キロメートル。
 1秒後に1光年。
 間違い無く至近距離ですよ。
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> という事は、至近距離とは150億光年かなたという事に なります。
> 宇宙は誕生直後、我々が現在観測しているスケールに達したという事です。
 ちゃうちゃう。
 ちゃいまんがな。
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> 何だそんな事かと早合点するのは甘い考えです。
> 今、至近距離を強引に150億光年としましたが、ビッグバン直後をもう少し溯って
> 見ましょう。
> つまり150億光年の位置に達する直前のA星が観測出来ないのはなぜでしょう。
> あるいはA星より遠い所にあるB星でもいいです。
> インフレーションの瞬間のB星が観測出来ないのはなぜでしょう。
> それはインフレーションの為に空間が光速よりも速く膨張したからだと言いたいでしょう。
> しかし残念ながら、「相対的モノサシ」は既に否定されています。
 概念そのものが間違っていただけですよ。
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> 光速が空間の膨張の影響を全く受けないという前提を認めないと、赤方偏移は
> 観測されない筈なのです。
 そうです。
 光速は空間の膨張の影響を受けません。
 だから、光速よりも速く膨張する地球⇔A星間を(膨張速度が落ちるまで)移動する事ができなかった のです。
 何の矛盾点も無いと思いますが?
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> つまり、インフレーションの瞬間のB星が観測出来なければならないのです。
> 少しややこしい話になりますが、150億年プラス数秒前・・・
 ビッグバンがきっちり150億年前だと仮定した場合、150億年より
以前の時間は存在しません。
 ビッグバンが産んだのは空間だけではありません。
 時間もまた、ビッグバンによって生み出されたのですから。
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> ・・・インフレーションの瞬間に、現在の150億光年の地点を通過したB星の姿は、
> 現在の地球に届く筈です。
 繰り返しますが、ビッグバン以前に「時間」は存在しません。
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> つまり、インフレーションの瞬間は恒常的に観測出来なければならないのです。
> しかし、今の所インフレーションの瞬間は観測されているとは言えません。
 インフレーションの瞬間は恒常的に観測されていますよ。
 「3度K宇宙背景放射」です。
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> あるいは、あまりに激しい赤方偏移の為に可視光線ではなく、赤外線や、あるいは
> 観測不可能な周波数域なのかも知れないのですが。
 宇宙背景放射は電磁エネルギーとしてマイクロ波で検出可能です。
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> もしくはひとつの星にとってはあまりにも一瞬の事なので、見逃しているだけなのかも
> 知れません。
> 今の所これが最も有力な仮説だと思いますが、せっかくですから話を更に展開して
> みましょう。
>
> ではここで、「絶対的モノサシ」説と「相対的モノサシ」説とを合体してみましょう。
> つまりインフレーションの瞬間の宇宙は空間そのものが膨張し、その後の宇宙は
> 単に星が遠ざかっているだけだと考えるのです。
> こう考えると辻褄が合います。
 それはあたかも、動く歩道の上に直立不動で立っていた人が、動く歩道の終了と同時に歩き出すよう な物でしょうか?
 だとすれば、空間の膨張が終了した後に、星がいきなり動くのですね?
 では、星の移動開始に必要なエネルギーは、何処から発生するのでしょうか?
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> 150億年前、インレーションによりA星までの宇宙空間が、現在の150億光年に
> 達したとします。
> 「相対的モノサシ」ですから、見かけのA星は150億光年彼方にある様に観測されます。
 まず、この前提を捨てて下さい。
 インフレーション直後(学説的に10のマイナス43乗秒後)に、宇宙の大きさは、(光速を長さの尺度と して)10のマイナス33乗センチメートルだったのですから。
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> そして、空間の膨張は止まり、今度は単にA星そのものが遠ざかって行きます。
 だから、その運動エネルギーは何処から?
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> 「絶対的モノサシ」ですから、赤方偏移が観測されます。
> そして、最大の疑問である宇宙の年齢は、150億年という事で何ら問題がありません。
 ま、年齢はね。
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> この説が正しいとすると、光速が空間の膨張の影響を受けても矛盾しないので、
> もしB星のインフレーションの瞬間が観測出来れば・・・
 上述の説明の通り、インフレーションの瞬間は観測できません。
 インフレーションの1秒後に光は1光秒(30万キロメートル)進みますが、地球とA星間の距離は、既に 1光年(9兆4600億キロメートル)も離れているのですから。
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> B星は遠ざかって行く様には見えず、B星の赤方偏移は観測されない事になります。
 赤方偏移どころか、観測そのものが出来無いのですよ。
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> ところが、この「絶対的モノサシ相対的モノサシ」合体仮説にも無理があります。
> なぜインフレーションが突然終わって空間の膨張が止まり、続いて空間の中における
> 慣性の法則を無視して星が遠ざかり始めるのかという疑問です。
 ですね。
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> そこで、ふたつの事が同時に起きていて、現在も同時進行していると考えるとどうでしょうか。
>
> つまり、ビッグバンの後、インフレーションは存在せず、比較級数的に空間が膨張し・・・
 インフレーションが存在しないのに空間が膨張?
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> その膨張している空間の中で、さらにA星も遠ざかりつつあるという訳です。
> これを「巻尺」説とでも名付けましょう。
> ビッグバン直後、地球とA星との間は至近距離ですが、巻尺の目盛は150億光年です。
> 光は150億年後ようやく地球に届き、A星自体は更に遠ざかっていますから
> 300億光年かなたに存在します。
> 空間そのものが膨張している訳ですから、この場合巻尺の目盛も一緒に伸びて行きます。
> 地球に到達した光が光ったのは至近距離にあった時ですが、巻尺の目盛は
> 当時も今も150億光年ですから、見かけのA星は150億光年彼方にある様に
> 観測されます。
> 光速は宇宙の膨張や収縮に合わせて変化するという前提ですから・・・
 光速を観測者の尺度とする以上、光速が宇宙の膨張や尺度に合わせて変化してはなりません。
 それを許してしまうと、そもそも宇宙が何に対して膨張していると見做すのかが問題になります。
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> 本来赤方偏移は観測されない筈ですが、A星自体が遠ざかって行くので、赤方偏移は
> 観測されます。
>
> そして、慣性の法則には反しておらず、宇宙の年齢は150億年という事で何ら問題が
> ありません。
> しかし、この考え方にも矛盾があります。
> 空間のない所へ星がはみ出してしまうのです。
> かといって開いた三次元球の宇宙観では、いずれA星が反対方向から近付いて
> 来る事になります。
> それとも、今の所A星は空間のキャパシティの中に収まっているのでしょうか。
> だとすると、巻尺の目盛は少なくとも300億光年なければなりません。
> なおかつA星から向こうには星が存在しないという偶然に期待しなければならないのです。
> これは地球が宇宙の中心という事を意味しますから、ほとんど有り得ないという事に
> なります。
>
> そんな訳で、久々に脳味噌をフル稼動したので疲れました。
> 自分としては「絶対的モノサシ」説を支持しますが、いくらインフレーションとはいえ
> 150億光年を瞬間移動するのは反則技だと思います。
 ひょっとして、ひとりツッコミ?
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> やはり宇宙の年齢を300億年とした方がスッキリします。
> さて、いかが致しましょうか。
 150億光年彼方から光が地球に届き、尚且つ光速で膨張する宇宙の年齢が150億光年であるとす る考え方はこうです。
 空間には構成物質があるのです。
 そして、構成物質が何処からか無限に発生して空間が増えているのです。
 我々の細胞の間に、その構成物質は発生しません。
 パソコンや机の分子の間にも、その構成物質は発生しません。
 ですから、目の前にあるモノサシの長さは「絶対モノサシ」として扱う事が出来、このモノサシを150億 光年の長さに延長してA星まで届かせると、来年の今日には1光年分長さが足らなくなるのです。
 この構成物質を「ダークマター」と呼びます。
 実際にダークマターが存在するか否かは学会でも意見の分かれるところらしいのですが、ダークマタ ーが存在するしないは別としても、「空間は膨張するが、物体は膨張しない」という事だけは前提条件と して認識して下さい。
 この「空間は膨張するが、物体は膨張しない」事を前提にしてビッグバンを語ると矛盾点が喪失しま す。
 宇宙空間はビッグバンによって生成されました。
 そのとき、もしそのそばにモノサシが置けたなら、生成直後の宇宙は極めて小さな物であり、地球とA 星との間の距離はそれこそ「手の届く距離」だったでしょう。
 また、A星の放つ「光」はそのエネルギーの大きさ故、周波数が著しく高く、青方色どころか紫外線・] 線以上の領域だったと推察されます。
 その後、地球とA星は空間の膨張によって離れます。
 この離れる速度は、宇宙の膨張速度に依存していた為、光速よりも著しく速く、其れ故A星から放たれ た光は(折角近い距離に居たのにもかかわらず)地球に届く事ができません。
 また、空間が膨張した所為で、光は遅れて届く羽目に成り、A星から放たれた光の周波数が低くなって 赤方偏移が観測されます。
 さて、宇宙の膨張速度は時間の経過と共に遅くなります。
 やがて、膨張速度が光速よりも少し下回った頃になると、A星から放たれた光が地球に届きます。
 それが、ビッグバンから150億年後の最近(と言っても誤差が数億年ですが)なのです。


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