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よろずQ&A
【宇宙論】 150億年彼方に輝く星までの現在の距離は?(2)
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【問】 シロウト考えの宇宙論の修正意見です。宇宙の年齢を150億年と仮定して、なぜ150億光年か
なたに星が観測されるのかという話です。
前回、色々と考えながら書いたので、話に一貫性がなく、自分でも少し混乱してしまった部分もありま
した。この手の話はあちらを立てればこちらが立たないので、わけが分からなくなりがちです。数学を
駆使出来ればいいのですが、あいにくその才能はありません。そこで、改めて日本語で整理してみた
いと思います。文章的に前回と重複する部分もあります。
前回は「相対的モノサシ」説と「絶対的モノサシ」説を中心に話しました。それ以外の説は矛盾点が多
いので没にして下さい。断っておきますが、「相対的モノサシ」説も矛盾が多いので、ここでは検証を加
えた上で否定するというスタンスで書いています。途中で変なツッコミを入れず、ひとまず最後まで読ん
で頂きたいと思います。
今回は上記の二つを2次元的に展開してみたいと思います。3次元空間を2次元空間の風船表面に
置き換えるという例のやり方です。
前回同様、現在150億光年かなたにある星を仮にA星としましょう。で、今回はA星と地球とを風船の
表面に描きます。そして150億光年の長さのモノサシがあったとしましょう。今、モノサシのこちら側に
は地球があり、モノサシの向こう側にはA星があります。問題はやはりモノサシの「長さ」です。
まず、「相対的モノサシ」説ですが、これは風船表面の全てのものが膨張する宇宙であって、モノサシ
も距離目盛も風船の表面に描きます。一方、「絶対的モノサシ」説ですが、モノサシは風船の表面には
描かず、風船の大きさにかかわらず長さも目盛間隔も常に一定と仮定します。3次元空間こそが絶対
的な動かない空間であって、モノサシは3次元空間にあり、風船表面に見立てた2次元空間は仮の空
間とでも設定しておきましょう。
さて「相対的モノサシ」説の場合、150億年前に溯ると風船はまだ点の様に小さく、A星は地球の至
近距離にあります。風船表面に描かれたモノサシの長さは限りなくゼロに近いです。そして、150億光
年分の目盛が入っています。目盛間隔は非常に細かいです。光は150億年後ようやく地球に届き、A
星は150億光年かなたに存在します。風船が膨張している訳ですから、この場合モノサシも一緒に伸
びて行きます。地球に到達した光が光ったのは至近距離にあった時ですが、モノサシの目盛は当時も
今も150億光年ですから、見かけのA星は150億光年かなたにある様に観測されます。しかし、見か
けのA星は常に150億光年の位置に存在している事になります。つまり、いくら風船が膨張しても収縮
しても、モノサシも一緒に膨張収縮するので、A星は遠ざかる様にも近づく様にも見えず、見かけの宇
宙は膨張している様にも収縮している様にも見えないという事です。もう一度150億年前に溯ります。A
星は至近距離にあると言いましたが、モノサシの目盛は150億光年でした。そもそも風船を外から測
る様な3次元空間は想定していないので、風船が点の様に小さいとか、モノサシの長さが限りなくゼロ
に近いとか言う事自体がおかしいのです。しかも、この説では光速さえも宇宙の膨張や収縮に合わせ
て変化するという事になってしまいます。1光年進むのに1年かかる事に変わりはありませんが、その1
光年自体が伸び縮みするのですから。そうなると赤方偏移は観測されない筈です。A星が遠ざかるの
と比例して光速も速くなると、ドップラー効果が得られないからです。ここで風船の膨張にかかわらず光
速を一定と仮定すると、次に述べる「絶対的モノサシ」と同じ事になります。
では、その「絶対的モノサシ」の場合はどうでしょうか。150億年前に溯ると、今度こそ風船はまだ点
の様に小さく、A星は地球の至近距離にあります。モノサシの長さは一定ですからA星と地球との間の
距離目盛はほとんどゼロです。距離目盛はほとんどゼロですから光は一瞬の後には地球に到達してし
まう様な気がしますが、百歩譲ってインフレーションか何かの為に150億年後ようやく地球に届いたと
しますと、A星は無事150億光年かなたに到達します。勿論その時のモノサシの目盛は150億光年で
すね。ここで問題となるのは、見かけのA星がどこに見えるのかという事です。地球に到達した光が光
ったのは至近距離にあった時ですから、見かけのA星は至近距離にある様に観測されるのでしょうか。
それとも、今時点のA星の位置にある様に観測されるのでしょうか。
前者の考え方は、あくまでも、現在観測されるA星は、現在のA星ではないのですから、現在A星がモ
ノサシのどこにあろうと、2次元空間がどうであろうと、見かけのA星は、当時の2次元空間の、当時の
距離目盛の、当時のA星でなければならないという事です。この考え方では、見かけのA星は至近距離
にある様に観測される筈です。但し、当時の2次元空間なるものが現在の2次元空間から観測出来る
訳はないという矛盾があります。
一方後者の考え方は、現在観測されるA星は現在のA星ではないのですが、見かけの光源は2次元
空間上の、A星が光った当時の座標にあるかの様に観測されるという考え方です。ここで座標というも
のを持ち出してしまいましたが、これは距離目盛とは違うので、モノサシではありません。あくまでも風
船表面上の位置と考えて下さい。A星から地球までのベクトルを想定すると、今ようやく地球を指したベ
クトルの長さは150億光年に伸びているので、あたかも元から150億光年の長さがあったベクトルと
同じであるかの様に見えるという考え方です。少しややこしいですが、この考え方が正しいとすると、現
在見えているA星は150億年前の姿ですが、その位置は現在A星があるであろう座標に見えるという
事です。つまり見える姿は150億年前、見える位置は現在位置という事になります。ある意味、その姿
も位置も現在のA星そのものではありません。あくまでも150億年前の姿で、150億年前と同じ座標に
見えるのです。ただし座標そのものが風船とともに膨張していますから、同じ座標とは言っても150億
光年かなたにあるかの様に見えるという訳です。
そんな訳で、自分としては最後の説を支持します。但し、まだ疑問はあります。「相対的モノサシ」説の
所にも別の理由で出て来ましたが、風船の膨張を観測出来るのはモノサシがある3次元空間から見た
時であって、風船表面にいる我々には、2次元空間の膨張は観測出来ないのではないか、つまり、ど
んなに宇宙が膨張しても収縮しても、風船表面にはモノサシがないので、我々が観測する見かけの宇
宙の大きさは一定なのではないか、という疑問です。そこで、風船表面上でモノサシの代わりになるも
のが必要です。常に一定の長さのものが有りましたね。言うまでもなく、それは光速です。光速は一定
ですから、これがモノサシだと言えばそうなのです。
これでやっと全ての疑問が解けたと思うのは、まだ早いです。A星が光ったのはインフレーションの前
ですね。という事は、その更に前の出来事が観測出来ないのはなぜでしょうか。馬鹿だなあ、それは既
にインフレーションの前に光が地球に届いてしまったからさ、と言いたいでしょう。成る程、A星より近い
所にあった星の場合はそうかもしれません。しかし、A星より遠い所にあったB星の場合はどうでしょ
う。それはB星が相対的に光速よりも速く遠ざかっているから未だ光が地球に届かないのさ、と言いた
いでしょう。しかし、考えてもみて下さい。光速より速く遠ざかるB星の光は、どこで留まっていると言う
のでしょうか。いくら速く風船が膨張しても、光は地球へと向かって来るのです。どんなに時間がかかろ
うとも、いつか必ず地球に届く筈です。例えば150億年より少し前に光ったB星の光が地球に向かい、
150億年前にA星の地点に到達したとします。その光は、その時すなわち150億年前に光ったA星の
光と同時に今の地球に届く筈です。あるいは、150億年より少し前というのはビッグバンの直後であっ
て、未だ星々が誕生していない暗黒の宇宙だったというのでしょうか。
最後に最大の疑問が残っています。ビッグバンの瞬間が観測出来ないのはなぜでしょうか。B星が光
った150億年より少し前を更に溯ると、ビッグバンの瞬間に到達する筈です。B星よりも更に遠い地点
を探すならば、ビッグバンの瞬間が観測出来るのではないでしょうか。いや、そこまで溯ると宇宙は限
りなく点に近いので、光は地球に到達してしまった後なのさと言いたいでしょう。しかし、その考え方は
先程否定されています。やはり、ビッグバンの瞬間は観測出来なければならないのです。しかも、特定
の方角に見える訳はなく、全方位に万遍なく見える筈です。通説によれば、これは背景放射とは別のも
のです。そして、更に更に遠い地点には、いったい何が見えるのでしょうか。
そもそも150億という数字の一致は偶然なのでしょうか。もうこれ以上溯れない宇宙誕生の瞬間が、
現在観測されるというのは、あまりにも偶然過ぎます。いやいや、何を言っているんだと思われるでしょ
う。より遠くを観測すれば時間を溯れるんだから、いつの時代であっても宇宙の彼方には宇宙誕生の
瞬間が観測出来る筈だし、150億光年の所には、その時から150億年前の出来事が観測出来るで
はないかと。確かにその通りです。しかし、そうだとすると、例えば今から150億年後、宇宙誕生から3
00億年たった時、300億光年かなたには、相変わらずA星が300億年前の姿のまま観測される事に
なります。困った事にA星の姿は何百億年経っても変わらない静止画という事になるのです。
しかし、静止画が地球に届き続けるでしょうか。今から150億年前に発したA星の光は、一度地球に
届いてしまったら、もう終わりでなければおかしい筈です。今から150億年後、すなわち宇宙誕生から
300億年後の地球に届くA星の光は、宇宙誕生から150億年後のA星の光でなければならないので
はないでしょうか。だとすると、宇宙誕生からの年数と、A星から地球に光が届くのにかかる年数が一
致するのは、今しかないという事になります。つまり、宇宙誕生直後のA星が観測出来るのは後にも先
にもなく、今しかないという幸運に恵まれているという事になります。そして、ビッグバンの瞬間が観測
出来たのは、ごく最近訪れた一瞬という事になります。しかし残念ながら、そのような偶然は殆ど有り得
ない事です。
これを矛盾なく説明する方法は唯一つです。身近な所にある太陽は静止画ではありません。つまり、
近い星はほぼリアルタイムに観測出来るが、遠ざかるにつれて動画がスローモーションになり、一番遠
いA星は殆ど限りなく静止画に見えるという事です。そして、ビッグバンの瞬間は完全な静止画であっ
て、見かけの時間は止まっているから、それより遠方をいくら観測しても時間を溯る事は出来ないの
で、何も観測出来ないと説明出来ます。仮にビッグバン以前という時間の概念が存在したとしても、地
球からは何も見えないという事になります。
しかし、話は元に戻ってしまいますが、飽くまでも宇宙の年齢を150億年と仮定したから、この様に奇
妙な仮説が導き出されたのです。余程若作りしたいのでしょうが、やはり素直に宇宙の年齢を300億
年と認めた方が、ごく自然に全ての説明が付く様に思うのです。
さて、いかが致しましょうか。
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【答】 だから大将、長いって(笑)
> 途中で変なツッコミを入れず、ひとまず最後まで読んで頂きたいと思います。
もちろん、前回も「ひとまず最後まで読んで」いますよ。
ただ、貴殿の文章が余りにも長いので、全体に対する反証がし難いのです。
そのため個々にツッコミを入れるという形態になってしまいました。
悪しからず御了承下さい。
ま、今回は細かいツッコミは辞めときますケド。
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さて、今回お便り頂いた御陰で、私の説明の何がいけなかったのかが理解できました。
「事象の地平線」の話をすべきだったのですね。
では、改めてイチから説明し直す事にしましょう。
貴兄もビッグバン説を否定しておられる訳ではなさそうですので、
「まずビッグバンありき」として話ます。
ビッグバンの1秒後、現在150億光年彼方にあるクエーサーの物質は、将来に地球を構成する物質
から1光年(94600億キロメートル)離れていました。
その時点で地球から観測できる宇宙空間は半径1光秒(30万キロメートル)でしかありません。
つまり、(その時点で大地はありませんが)地球に天体望遠鏡を据えても半径30万キロメートルしか
見えないのです。
もし、ビッグバン1秒後の地球に天文学者が居たら、「宇宙の広さは半径30万キロで、宇宙の年齢
は1秒である」と答えたでしょう。
つまり、我々の観測できる宇宙とは、観測方法を光に頼っている以上、
[ 半径 ] = [ ビッグバンからの経過時間 ] × [ 光速 ]
でしかないのです。
この半径の外側は、有っても観測できない宇宙なのです。
ビッグバンの1秒後は半径1光秒。
ビッグバンの150億年後は半径150億光年。
単純に観測できる宇宙が、月日と共に広がっただけです。
そして、広がった観測できる宇宙の中に、件のクエーサーが入ったので観測できるようになった
だけの事です。
ね、単純な話でしょ。
だから、ひょっとすると観測できない宇宙の広さが200億光年も300億光年もあるのかも知れませ
ん。
しかし、ハッブルの法則に因れば(ハッブル定数が未来永劫不変である限り)観測できる宇宙の外側
は地球との相対速度が光速以上になっています。
これではいつまで経っても [ ビッグバンからの経過時間 ] × [ 光速 ] は、現在観測できる宇宙の外
側へ辿り着きません。
ですから、ハッブル係数が未来永劫不変である限り、「現在観測できる宇宙領域」が「未来においても
観測可能な宇宙領域」でしかないのです。
とはいうものの実はハッブル係数は不変ではありません。
ビッグバン1秒後に1光年も離れたA星が、150億年後に150億光年しか離れていなかった事から
も分る通り、ハッブル定数は時間経過と共に小さくなっています。
ですから、今後何億年何十億年経てばA星よりも遠いクエーサーB星が観測される可能性はありま
す。
是非長生きして発見の瞬間に立会いたいものです。
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なお、最後にちょっとだけ突っ込ませて頂きます。
> 最後に最大の疑問が残っています。
> ビッグバンの瞬間が観測出来ないのはなぜでしょうか。
> B星が光った150億年より少し前を更に溯ると、ビッグバンの瞬間に到達する筈です。
> B星よりも更に遠い地点を探すならば、ビッグバンの瞬間が観測出来るのではないで
> しょうか。
> いや、そこまで溯ると宇宙は限りなく点に近いので、光は地球に到達してしまった後
> なのさと言いたいでしょう。
> しかし、その考え方は先程否定されています。
> やはり、ビッグバンの瞬間は観測出来なければならないのです。
> しかも、特定の方角に見える訳はなく、全方位に万遍なく見える筈です。
> 通説によれば、これは背景放射とは別のものです。
何処の通説ですか。
いいですか、ビッグバンから30万年くらい経って光が物質から隔離された後、宇宙に満ちていた光
の波長が宇宙の膨張に伴って減衰し、今日ではマイクロウェーブ領域の波長になっているのだと推察
するのです。
その推察を是とする限り、背景放射は紛れも無くビッグバンの瞬間です。
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> しかし、そうだとすると、例えば今から150億年後、宇宙誕生から300億年たった時、
> 300億光年かなたには、相変わらずA星が300億年前の姿のまま観測される事に
> なります。
> 困った事にA星の姿は何百億年経っても変わらない静止画という事になるのです。
ほえ?
「 [ 光が観測された ] = [ 光のエネルギーが物質に干渉してエネルギー変換した ] 」ですよ。
静止画ってのは、静止した画像の光がず〜っと送られているものです。
光の波を輪切りにして静止画として観測することはできませんよ。
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> 仮にビッグバン以前という時間の概念が存在したとしても・・・
われわれがビッグバンという学説を理解しようとする時、払拭しなければならない概念があります。
それは、「ビッグバンがある時何処かで起こった」とする概念です。
アインシュタインの一般相対性理論が正しいとするなら、空間も時間も物質もエネルギーもビッグバン
に因って生成されたものです。
ですから、ビッグバン以前には我々の観念でいうところの時間も空間もありません。
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