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正しいステロイド治療法

 頭皮にもアトピーが(泣)
【問】 頭が痒くて痒くて堪りません。 なんとかならないのでしょうか。
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【答】 貴方の頭皮のアトピーは他の部位と同時に発生しましたか?
 違いますよね。
 皮脂の多い頭皮はアトピーが自然発生することは少なく、アトピー患者特有の「手持ち無沙汰だと無 意識に体の何処かを掻いてしまう」という厄介な癖の所為で頭皮が傷付けられ、バリア機能を失って皮 膚炎を発症してしまう例が多いのだそうです。
 ですから、掻くことを止め、ステロイド外用剤で炎症を抑えてやれば、皮膚が修復され皮脂の分泌が 再開されて健常な頭皮に戻る事ができます。
 条件さえ揃えば、他の部位よりも治る可能性は高いでしょう。
 しかし、頭髪の所為で蒸れやすく雑菌の温床になり易い頭皮のアトピーは気が狂うほどに痒く、また 頭髪が邪魔をするのでステロイド外用剤が塗り難く、シャンプーで皮脂を洗い落としてしまうので酷く乾 燥してしまうという難題を抱えています。
 そのため現実にはなかなか治らないアトピーになってしまうようです。
 処置として一番手っ取り早く確実なのは丸坊主にしてしまうことです。
 丸坊主にしてしまえば、蒸れないわ・雑菌は蔓延らないわ・ステロイド外用剤は塗り易いわで万々歳 なのですが、2ちゃんねるな引き篭もり君ならいざ知らず、社会に接していて丸坊主にするのは勇気が 要るでしょう(治るまでの間、醜く爛れた頭皮が衆目に晒されてしまうのですから)。
 次点の案は、次の4箇条を守ることです。
(1)女性も含め、できるだけ短髪にし、帽子などで蒸らさないように注意する。
(2)掻きたくなったら『久光かゆみ止めスプレー』などの液体痒み止め剤を使用して我慢する。
(3)液体のステロイド外用剤を塗って炎症を抑える。
(4)とくに汚れている場合を除き、お風呂で頭を洗う時はシャンプーなどの洗剤を使用しない。
 4に注釈しておきますが、頭の汚れも体の汚れも基本的に皮脂に埃や垢が混じった状態で皮膚に付 着しています。 ですから酷く汚れているのでなければ、皮脂が溶ける温度のお湯で頭の汚れも体の 汚れもほとんど落とせます。
 石鹸やシャンプーを使わなければ、皮脂を取り過ぎないで済みます。
 事実、石鹸やシャンプーを使わなければ痒みは随分軽くなりますよ。
 頭皮は特に顕著です。
また、2に於いて痒みが余りにも強い場合、虫刺され用の痒み止め薬を使うのも手です。 容器を工夫 しないと頭皮に塗れませんが、私は『ムヒ・ローションS』を使っています。 弱いステロイドが含まれてい ますので3の塗布も兼ねていて良いです(刺激が強く染みると痛いのですが)。



 なお、頭皮の痒みの原因がアトピー性皮膚炎であるならば、(少なくとも慣れが生じるまでは)ステロイ ド外用剤が効きます。 それまでステロイド外用剤を頭皮に使ったことが無ければ、それこそテキメンに 効く筈です。  ところが、【リドメックス・ローション】など液体のステロイド外用剤を十分に塗布しても、 痒みが全然収まらないことがあります。 その場合に、体のアトピー部分から生じる落屑とは比べ物に ならないほど多量のフケが伴っていないでしょうか? そうなると、原因がアトピー性皮膚炎以外にある 可能性が出てきます。

 ・・・頭部白癬(シラクモ)・・・

 早い話が白癬菌というカビの一種が頭皮に感染しているのです。
 この場合、【610はっぷ】という硫黄系の殺菌剤が効きます。
 下画像のような硫黄系殺菌剤を含んだシャンプーも市販されています。
 ←僅か150mlしか入っていませんが、原因が白癬菌であれば、普通は使い切る前に痒みとフケが解消されます。 シャンプー・リンスの棚に置かられている“フケ取りシ ャンプー”とは根本的に異なりますので、間違えて買わない様にして下さい。

■2006.10.18■
 上に紹介した硫黄系殺菌剤入りシャンプーは発売中止になったそうです。  ひょっとしたら、アトピー 性皮膚炎が原因で痒かったヒトが、長期間使って症状を悪化させてしまったのかも知れません。  そ れでクレームになっちゃったのかも・・・

 硫黄系殺菌剤自体は、【610ハップ】が有名で、全国何処の薬剤店でも入手できると思います。
  武藤鉦製薬株式会社 440mlで八百円くらい。
 原液で塗っちゃダメですからね、チュウイ。



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