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内燃工学
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【問】 過早着火って何?
ノッキングと違うの?
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【答】 雑誌の記述が間違っている所為で混同されていますが、過早着荷とノッキングは違います。
ノッキングについては別項を参照して下さい。
ここでは過早着火についてのみ触れます。
メンテナンスの悪いエンジンや、低品質な燃料を使用したエンジンの場合、燃焼時に発生した固体の
燃焼生成物(煤やスラッジなど)が燃焼室内に堆積していることがあります。
この堆積した燃焼生成物が剥れかけて突起状になったり、剥れて燃焼室内を漂ったりすると、燃焼
ガスに晒されて高温になります(これを「ヒートスポット」と言います)。
ガソリンエンジンの場合、圧縮行程中の作動ガスにヒートスポットが火を点ける恐れがあります。
これが過早着火です。
過早着火が起こると、圧縮行程中のピストンを膨張ガスが押し戻そうとするので、ポンピングロスが
増えて、出力が低下します。
また、過早着荷が起こって、圧縮行程中の燃焼室内圧力が上がると、エンドガスに掛かる圧力が著
しく増大します。
この所為で、ノッキングが起こる危険性が高くなります。
しかも、過早着火が起こっている状態でノッキングが起こった場合、大量のエンドガスが一気に自己
着火してしまう危険性があり、そうなると、被害は甚大になります。
内燃工学上は、この「過早着火とノッキングが同時に起こる状態」を「ワイルドピング」と呼んで区別し
ています。
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