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脱ステロイド教という名のカルトについて
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【問】ステロイド対症療法以外の療法で快方に向かったアトピー性皮膚炎患者も大勢居ます。
貴殿のように、非ステロイド療法を一概に否定するのはどうかと思いますが。
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【答】おっしゃる通り、ステロイドを使わずに生活の質が維持できるのであれば、それに越したことはあ
りません。
また、弁解させていただけるなら、私は、ステロイド以外の治療方法を全て否定するわけではありま
せん。
漢方薬、湯治、塩素除去、超酸化水、尿素水、ヨーグルト、菜食、無農薬、玄米食、蓬などの薬草湿
布、針・灸、ミネラルウォーターがぶ呑み、合成洗剤を使用しない、しその葉エキス、等々。
まじないに近いものまで含めれば数百はくだらないでしょう。
結論から言えば、これら数百の民間治療法の全てが効きます。
正鵠を期する表現をするなら、「これら数百の民間治療法の全てに『効いた』と言う人がいる」ので
す。
今更、「治験例は二重ブラインドテストでなければデータの信憑性がない」などと野暮なことは言いま
せん。
実際に「効いた」という人が居るのですから、効くのです。 漢方薬も湯治も塩素除去も超酸化水も尿
素水もヨーグルトも菜食も無農薬も玄米食も蓬などの薬草湿布も針・灸もミネラルウォーターがぶ呑み
も合成洗剤排除もしその葉エキスも効くのです。
しかし、だからといってそれら民間治療法の薬効が全てのアトピー性皮膚炎患者に効くわけではあり
ません。
どちらかと言えば、効かない人が大半だと思います。
極端な話、民間治療で治ったという元アトピー性皮膚炎患者が百人居たら、その治療方法は何十種
類にもなります。 ひょっしたら百種類かも知れません。
ある人が試して「治った」という民間治療法は、少なくともその人にとって最善の治療法であったので
しょう(たまたま症状の治まるタイミングで新しい治療法を始めたという可能性も少なくありませんが、こ
こでは民間療法で治ったものと仮定します)。
でも、果たしてそれは誰にでも効くのでしょうか?
「私は、○○でアトピー性皮膚炎から開放された。 こんなに素晴らしい治療方法が知られていないな
んて許されることではない。 アトピー性皮膚炎で苦しんでいる人達に是非伝えたい。」 そのお気持ち
は崇高です。 自分だけが助かってヨシとしない人は本当に心優しい善人なのでしょう。
しかし、その優しい心が、時として残酷な結果を生むこともあります。
私は高槻にあるアトピービジネスで重篤な皮膚炎患者にさせられました。
腫れ上がった瞼に目を開けることすら叶わなかったのです。 もし、あのまま脱ステロイドに固執して
いたら間違いなくアトピー性白内障に侵されて視力を失っていたでしょう。
アトピービジネスだから重篤な皮膚炎になったのではありません。
治癒例があるというだけで、何の医学的根拠もない治療法を強行したために重篤になったのです。
もし、善意の第三者に教えられて試したのだとしても、結果が変わったわけではありません。
貴方が伝えたい治療法は、ひょっとしたら私にも効くのかもしれません。
しかし、アトピー性皮膚炎患者にとって、ステロイド治療を中止することは極めて大きなリスクを背負
います。
たとえ5割の確率で治るのだとしても、私は、ステロイド外用剤を使って棺桶までアトピーと付き合う方
を選ぶでしょう。
脱ステロイドを断念する直前の私の体は、本当に酷い有様でした。
赤紫色の腸詰ソーセージを寄せ集めて作った等身大人形のようでした。
血とリンパ液で下着が肌に貼り付き、服を脱いだだけで血が滲み出ました。
一日中休み無く襲い続ける強烈な痒みは、如何なる形容詞を使っても言葉で言い表すことができま
せん。
強い痒みで睡眠も摂れず、毎日20時間以上も体を掻き毟り続けました。 乾いた肌からはカサブタと
落屑が出て、家中の床に粉が落ちていました。
今思い出しても発狂しなかったことが不思議でさえあります(「もう既に狂っている」というツッコミはナ
シ)。
私は、もうどんな甘言を並べられても、脱ステロイドに再挑戦することはないでしょう。
「人の忠告を無視して治る機会を失った馬鹿者」と罵っていただいて構いません。
繰り返しになりますが、ステロイドを否定して医学的根拠のない(あるいは屁理屈的な論拠しかない)
医学界未承認の療法を試すことは博打です。
対症療法薬でコントロールしながら慢性疾患と付き合うことは、喩えていうなら、仕事をして給与を得
て、それで過不足無く暮らすのと同じです。
馬なり先物なりに全財産を賭けて、もし大勝すれば、それ以降一生働かなくても遊んで暮らしていけ
るでしょう。
しかし、負ければ全てが失われます。
ステロイドも、喩えコントロールが煩わしく、皮膚科に払う医療費が負担に思えたとしても、人生を賭し
てまで決別しなければならない程のモノではないと思います。
私の脱ステロイドは大敗であり、脱ステロイドを断念してから1年半が経った現在でも、脱ステロイド
前まで回復していません。
生活費以外の余裕で博打を打てば破算しないで済むように、民間療法もステロイド対症療法と併用
するのであれば危険性は少ないでしょう。
ただ、その場合でも過度の期待は抱かずに、症状が僅かでも悪化すれば直ちに民間療法を中止す
べきです。
働きながら公営ギャンブル打っていても、収支が合わなくなったら家計は破綻しますからね。 それと
同じですよ。
ただし、言っておきたいことがあります。
その非ステロイド治療法を試みて如何なる結果に至ったとしても、善意の第三者は何の責任も負い
ません。
すべては試した患者自身の自己責任です。
まぁ、治療法を紹介した人間が何の責任も負わないという点は、アトピービジネスも同じですけどね。
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