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脱ステロイド教という名のカルトについて

 ステロイド否定派の意見の方が専門的な医学用語が並んでいて凄い
【問】 ステロイド否定派の意見は専門的な医学用語が羅列されてとても高度なのに、ステロイド賛成派 の意見は普通の文章で有り難味がありません。 シロウトとしてはステロイド否定派の意見に惹かれる のですが・・・
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【答】 権威主義に翻弄されていますね。
 ステロイド賛成派の意見に専門的な医学用語が並ばないのは、その必要がないからです。
 喩えば誰かクルマに詳しくない人がミッドシップのクルマを購入したとしましょう。
 その人に運転上の注意点を伝えるとしたら何と述べますか?
 「そのクルマは重いエンジンが後ろにあるので、ハンドル切り乍らのブレーキや急カーブで後ろのタイ ヤが滑り易いよ」って言うのが普通でしょう。
 でも、「そのクルマは重いエンジンが前に無い分、フロント荷重が足らないので前輪の摩擦円が小さ く、それ故アンダーステアになる」と言えば、それなりに正しいことを述べているにも関わらずまるっきり 逆の意味になります。 素人を騙すには専門用語の羅列が一番手っ取り早いのですよ。



 さて、折角の項です。

 この場を使って、免疫システムに関する高度で難解な説がインターネット上に流布され、それがステ ロイド外用剤有害説の論拠ともなっている件について、わたしなりの見解を述べておきましょう。
 正直言って、わたしは、専門的な免疫学がチンプンカンプンです。
 したがって、アレが学術的に正しいか正しくないかは判別が付きません。
 でもそれは、一般的な自動車免許保有者が、空想非科学クルマ漫画のドラテク理論と古典運動物理 学に基づいたドラテク理論の違いが判別できないのと全く同じレベルの話です。
 また、だからといって、四十歳を遥かに超えて老朽化した脳味噌で、今更イチから免疫学を学ぼうと いう気もサラサラありません。

 ただ、それでもこれだけは言えます。

 この免疫学の新説は、机上の理論です。

 いいえ、机上の理論だから正しくないということは、ありません。
 アインシュタインの相対性理論もそれが発表された当初は、机上の理論でした。しかし、机上の理論 である以上、それが正しいのか正しくないのか判別することができません。相対性理論は、原爆という 兵器として、そして更に、後世において大掛かりで高精度な設備を用いた実験によって実証されました が、この免疫学の新説を立証するものは、臨床データの筈です。

 ところが、この免疫学の新説に関しては、そのデータというのが極めてあやふやなのです。

■ステロイド外用剤の使用を突然に中止した際に生じる重篤な炎症を「リバウンド」と称し、免疫学の新 説が具現化していると断定している。
 《疑問.1》→薬を止めれば、薬で抑えていた症状が劇症化するのは当たり前。「リバウンド」と「原疾患 の悪化」の区別が出来ない以上、「リバウンド」と断定すべきではありません。
 《疑問.2》→ステロイド外用剤の連用に因って皮下に蓄積した生成物(通称:ステの毒)によってリバウ ンドが起こっているのであれば、生まれてから一度もステロイド外用剤を塗布したことのない皮膚にま で重篤な炎症が及ぶのはオカシイのではないか。
  〔疑問.2に対して予想される反論〕→皮下へ浸透したステロイド外用剤は、血液やリンパ液によって 体中の隅々へ送られる。したがって、直接塗布されていない皮膚へリバウンドが起こるのは不思議で でも何でもない。
  [疑問.2に対して予想される反論への疑問]→体表の全てに万遍なく生成物が蓄積する程にステロ イド外用剤が広範囲に有効であるなら、身体の何処か只一箇所へステロイド外用剤を塗布するだけ で、体表に存在する全ての炎症が抑えられなくてはなりません(ただし、弱いクラスのステロイド外用剤 を直接塗布することに因って直ちに収まる程度の炎症の場合、他の部位に塗布された最強クラスのス テロイドの影響で炎症が納まることは有り得ます)。

■アトピー性皮膚炎は、保湿や抗炎症などの医療行為を行わなければ、極めて短い期間に自然治癒 する病気であり、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤、ステロイド外用剤を用いることに因って難治化して いる。
 《疑問》→脱ステロイド療法が脚光を浴び、旧来のステロイド外用剤による対症療法が薬害呼ばわり される中で、とりわけ乳幼児のアトピー性皮膚炎に対し、保湿も抗炎症も行なわない親御さんは多い。  もし、免疫学の新説が正しいのであれば、その子供たちのアトピー性皮膚炎は、極めて短い期間に 自然治癒していなければなりません。 ところが現実は、web上の掲示板を見れば一目瞭然、ステロイ ド否定派の親御さんの下でアトピー性皮膚炎と闘う幼い子供たちのアトピー性皮膚炎は、決して短い期 間に自然治癒などしていません。
 もちろん、再三述べている通り、乳幼児期のアトピー性皮膚炎は、その大半が思春期までに寛解しま す。
 したがって、保湿も抗炎症も行なってもらえない幼い子供たちも、その大半は思春期までに炎症が沈 静化します。
 それをして「やっぱり、保湿も抗炎症も行なわなくて良かった」と言えるのでしょうか?
 「保湿や抗炎症を行なわなかった子供たち」と「保湿や抗炎症を行なった子供たち」を比べて、寛解ま でに要した期間の差が有意であるという臨床データが存在しない以上、保湿を行なって皮膚の異常状 態を緩和し、発症する炎症に対して沈痒や消炎することは、アトピーではない他の子供たちと変らない 生活を送らせてあげることです。そしてそれは、決して無駄でもなければ、悪魔の毒薬に屈する行為で もないと思います。

 偉い(と思う)研究者の学説だから…とか、専門用語の羅列で難しいから…とか、長期間の連用によ ってステロイド外用剤の効きが顕著に低下し、より強いステロイド外用剤へ切り替えていくことに不安が あるから…とか。web上に展開する免疫学の新説が素人に受け入れられる理由は様々です。 しかし、 肩書きは正論の保障になりませんし、専門用語の羅列は、素人を煙に巻く常套手段以外の何者でもあ りません。 ましてや、ステロイド外用剤の効きが長期連用によって低下することは、旧来から知られて いる常識であって、それ自体が新しい学説の信憑性に対し、何らかの関連を持つわけではありませ ん。

 わたしは、「○○は△△であって□□ではない。したがって、この説は間違っている」というような理路 整然とした反証が出来ません。 しかし、実際に自分の体で、あるいは周囲で起こっているアトピーの 現実と、web上に展開する免疫学の新説との間に明確な解離がある以上、盲目的に信用すべきではな いと考えます。
 web上の掲示板において「ステロイド是論者」vs「ステロイド否定論者」が罵り合いになった場合、必ず といってイイほど、「サイトカンがどうたら…、ヘルパーT細胞がこうたら…」という免疫学新理論のコピ ペが貼られます。 でも、あくまでコピペであって自分のコトバではありません。 貼っている当人がその 理論を全く理解していないということ自体、かなり問題があるのですが、こうしたコピペに因ってもたらさ れるイノセントな相談者(あるいは傍観者)への影響は、もっと深刻な問題です。 そのような安易なコ ピペが繰り返されることに因って、ありとあらゆる掲示板へ、あの免疫学の新説が掲載されてしまうこと になります。

 人は愚かな生き物です。

 まともに思考すれば明らかにオカシイと思える飲尿療法(身体が要らなくなって排出したモノを再び身 体に入れて病気が治る?)や野菜スープ(食っても身体に入る栄養素は同じ)でさえ、様々なマスメディ アに取り上げられた賛辞を何度も何度も眺める内に、やがてソレが真実のように思えてしまうのです。  ましてや、何が書かれているのかさえ分からない専門用語の羅列が、ありとあらゆる掲示板において ステロイド否定論者の論拠として繰り返し繰り返し読まされれば、「疑う心を保て!」という方が無理な のではないでしょうか?

 あらためて問います。

 貴方が、「ステロイドによってアトピー性皮膚炎が難治化している」と書かれた免疫学の新説を「正し い」と断定する論拠は何ですか?

 その説に、信頼し得る臨床データはありますか?

 自分がその説を支持する理由を真剣に考えたことがありますか?



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