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ドライヴィング理論

(08) ドリフトは本当に遅いのか?  part 2
【問】ドラテクについて書かれた某ホームページに拠れば、ドリフトとは推進力をコーナーリングフォース として使う方法だと書かれていました。 こう考えれば、(進入から立ち上がりまでトータルでみなくても、単純に旋 回のみの比較において)グリップよりも速いドリフトが成立するんじゃないでしょうか?
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【答】なるほどね〜。

 件のホームページに書かれた理屈は単純です。

 車体の進行方向がコーナー内側を向き、駆動輪が空転している状態は、駆動力が遠心力に拮抗し ている…という仮説です。

 まぁ分かり易いちゃ分かり易いですね。 遠心力を重力に置き換えれば、旋回とは円錐の斜面を廻る 行為に置き換えられるのかも知れません。 そう考えれば、ドリフト中の車両が、円錐の斜面から落ち そうになるのを駆動輪を空転させながら踏み止まっているように見えるでしょう。
 しかし、そう考えれば余計に、タイヤの摩擦抵抗をコーナーリングフォースとして使うよりも、推進力を コーナーリングフォースとして使う方が速いという結論へは至らなくなります。

 まず、円錐の斜面からずり落ちないように踏ん張るのであれば、空転させるよりもタイヤの回転を止 めた方が有利です。 これはハイキングや山登りで、濡れた岩山や凍った坂道を歩いたことのある人 なら説明されなくても分かるでしょう。 岩山から滑り落ちないように、あるいは坂道で滑ってコケないよ うにするためには、靴を滑らせながら駆けるよりも、できるだけ遅く歩んだ方が確実なのです。 クルマ も同様で、バーンアウト(=ドラックグレースなどでタイヤを暖めるために、静止状態のままで駆動輪を 空回りさせる)している状態のクルマのフェンダー横へ押せば、駆動輪は簡単に横移動してしまいま す。
 つまり、空回りしているタイヤとは、タイヤを回しているエネルギーをタイヤと路面の摩擦熱で消費して いる状態であり、タイヤは、そのエネルギー消費以上の摩擦力を発揮できないのです。
 ですから、駆動輪が空転している状態は、駆動力が遠心力に拮抗している状態ではありません。
 荷重と横滑り角に因って発生した横方向への摩擦力が、摩擦円に対して十分に余裕がある場合にお いて、その摩擦力の余裕を空回りで消費しているに過ぎないのです。
 ですから、タイヤが空回りしている状態において高い求心力が得られる道理がありません。

 そして、円錐の斜面を廻っているのであれば、当然の事ながら周回速度は、水平方向の移動速度で 決まります。
 円錐の頂点を向いてタイヤを激しく空回りさせているクルマが、適切な横滑り角で円錐を水平方向に 移動するよりも速いなんてことは、あり得ないのですから、たとえタイヤの空回りをコーナーリングフォ ースに喩えるのだとしても(そしてそれすらも、上述の通り否定されてしまったのですが)、定常円旋回 においてドリフトがグリップより遅いのは当然のことなのです。


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