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サスペンション

【荷重移動】荷重移動についてもう少しだけ詳しい話 010
 走行中の4輪荷重総和は自重を超えるのだッ!(キリッ
【問】例えば危険回避の為に急制動・急旋回すると、急激にピッチングしながらロールする姿勢変化が 生じることは誰でも想像に難くないと思います。

 一定の横Gが加わっている状況では車体の姿勢は安定、つまり横G由来のトルクで生じる荷重移動 が釣り合い、4輪荷重総和は自重になります。至極当たり前の話ですね。

 ですが、上述した一例のように、『急』な姿勢変化が生じた状況では、4輪荷重総和が自重+(ピッ チ・ロール両トルクで生じる荷重増加分)になるのは自明です。

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【答】ヒトが体重計に乗ると体重計の針は、一瞬だけ体重よりも大きな数字を示します。

 これは単純に体重計に仕込まれたバネが体重によって縮むコトにより、ヒトの重心が垂直方向に数ミ リだけ落下することによって生じる現象に過ぎません。

 ですから、体重計の上に立ってしばらく待てば、体重を中心に上下数キロを前後する体重計の針は、 やがて落ち着き体重を差して止まります。


 走行中のクルマの4輪荷重総和が自重を超える場合もこれと全く同じで、(空力による荷重増を除け ば)重心が上下方向に移動する際に「のみ」限られます。

 逆に言えば、急減速・急加速で弩派手にピッチングさせようとも、急旋回で弩派手にロールさせようと も、重心高さが変化しない限り、4輪荷重総和はクルマの質量と等しいままです。


 いつものようにちょっと脳内実験をしてみましょう。

 巨大なバネ秤を用意して、その秤の皿に本格的なラジコンを載せて走らせてみましょう。

 急加速・急減速・急旋回・旋回加速・・・乱暴に走らせるとバネ秤の針がグラグラ揺れるように思えてし まいますよね。

 でも。

 クルマの姿を消して1mm程度の球を重心点に置き、重心点の移動だけを眺めたらどうでしょう。

 ラジコンの過激な疾走も、重心点の移動として捉えれば、1mm程度の球がウロチョロしているに過ぎ ません。

 ラジコンの重心高さが5cmなら、それは秤の皿に厚さ5cmの台を置いて、その上を1mm程度の球が 転がっているのと同じ状態なのです。

 これでバネ秤の針がグラグラ揺れると思えるでしょうか?

 揺れませんね。 アタリマエです。

 ただし、サスペンションの構造如何でピッチングやロールで重心高さが変化することがあります。

 そういうクルマがピッチング運動やロール運動の際に4輪荷重総和がクルマの質量よりも大きくなっ たり小さくなったりすることはあります。
 また上り坂では4輪荷重総和がクルマの質量よりも大きくなり、下り坂では4輪荷重総和がクルマの 質量よりも小さくなります。

 それは重心高さが変化しているからが故であり、先述の「体重計に乗ると一瞬だけ体重計の針が体 重よりも大きな数字を差す」という現象と同じです。
 

 単純に中学の算数で習うベクトルの話です。

 垂直方向に成分を持たないベクトルを垂直方向へ分解することはできません。

 それだけですよ。


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