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オイル及びオイル添加剤

 余った油脂類って保存が効かないの?
【問】酸化してしまうので、余った潤滑油類は次回の交換時には使えないというのは本当でしょうか?
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【答】インターネットの車板ではそれが常識になっているみたいですが、余程長期間保管しない限り神 経質になる必要性はありません。
 確かに空気に晒しておくと油脂類は酸化します。
 しかし、まず第1に、油脂類の酸化速度は温度に依存します。 天ぷら油が良い例だと思います。  天ぷら油は1度の調理で酷く酸化します。  このため、天ぷら油を再利用は好ましくないといわれてい ます。 しかし、だからといって使わなかった天ぷら油まで一緒に捨ててしまう訳ではありません。 開け た缶にラップを被せただけの簡単な埃避けだけで保管された未使用の天ぷら油が、1週間も2週間も 先の調理に使われるのです。

 さて、植物油の天ぷら油に比べれば、鉱物・化学合成油の自動車用潤滑油の酸化速度は至って緩 やかです。
 このことは、ギアオイルの交換サイクルから理解できます。
 ケースが空冷される以外に冷却機構を持たないギア伝達系は、意外なほど油温が高くなります。
 エンジンオイルが100℃くらいで収まっていても、トランスミッションオイルやデフオイルが150℃くらい になることも珍しくありません。 もし、自動車用潤滑油が天ぷら油並みの速度で酸化するのであれ ば、トランスミッションやデフに使われるギアオイルの交換サイクルは、それこそ走る毎に交換しなけれ ばならなくなってしまいます。
 ところが、純正のギアオイルなどはメーカーの推奨する交換サイクルが8万キロ毎などと、とてつもな く長いスパンになっています。
 つまり、自動車用油脂類の酸化は、実はあまり温度に依存していないと見ることができます。

 自動車用潤滑油の中で、問題になる程酸化するのはエンジンオイルです。 それは、燃焼時に生成 される酸化物質(NOx)がエンジンオイルに混ざるからです。
 逆に言えば、稼動中のエンジンオイル以外であれば、この酸化物質の混入がありません。
 ましてや保管中の自動車用油脂類に関して酸化が寿命を縮める道理はありません。
 したがって、使いさしの油脂類を次回の交換時に使用しても何ら問題はありません。
 ただし、密閉されていない容器で保管すると、朝夕の寒暖差で空気が出入りしてしまいます。
 この空気の出入りに伴って空気中を漂っている微細な埃が混入する虞があります。
 埃には多くの酸化珪素、つまり砂が含まれています。 これは鋼鉄よりも遥かに硬いので、少量でも オイルに混じってしまうのは好ましくありません。 しっかりと密閉できる容器(4リットルブリキ缶や1リッ トルネジ蓋缶など)にて、栓をして保管しておきましょう。

 なお、余談ですが、ブレーキフリュードの保管には特に留意してください。
 エチレングリコール系のブレーキフリュードは吸湿性が高く、密閉度の低い容器で保管すると、保管 中に水を含んで沸点が下がってしまいます。 圧を掛けても漏れないくらい確実に密栓して保管してくだ さい。 心配なら蓋をシリコンコークなどで密閉しておきましょう。


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