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オイル及びオイル添加剤
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【問】エンジンオイルは使わなくても酸化するから、走行距離が短くても、必ず半年ごとに交換しなくては
ならない。
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【答】 ウソ。
確かにオイルは常温でも酸化します。 でもそれは、ホントウにホンの僅かだけです。 「稼動しな
いエンジンオイルは酸化しない」と言い切っても構いません。
「ホントウか?」と訝る向きもあるでしょう。 しかし、誰でも知っている証拠があります。
ギアオイルはそんな短い期間で交換しません。
日本中を走っている&走っていた乗用車の大半が、廃車までタダの一度もギアオイルを交換してい
ません。
何故でしょう?
何故、ギアオイルは長い走行距離を無交換で走ることが許されているのに、エンジンオイルは短い走
行距離&短い期間で交換するように指定されているのでしょう?
距離が違う理由は、ギアオイルには、エンジンオイルに入り込む燃焼生成物が混入しないからです。
期間が違う理由は、ギアオイルには走行距離に現れない稼働時間がないからです。
分かりますか? 「走行距離に現れない稼働時間」が何か?
そうです。 アイドリングです。
幾ら長時間アイドリングしていても、ギアは稼動しません。 エンジンだけが稼動しています。
たとえば平日の日中に大阪市内をクルマで移動しようとした場合、1時間で5kmくらいしか進めませ
ん。
この場合、ギアが1時間に稼動した距離は5kmですが、エンジンが稼動した距離は5kmではありませ
ん。
むちゃくちゃに大雑把な計算ですが、その5kmを20km/hくらいで巡航し、残りの時間をアイドリング
していたと仮定するなら、
5kmを20km/hで駆け抜ける所要時間は5km÷20km/h=0.25h=15minで15分間。 残りの時間、
60min−15min=45min、45分間はアイドリング。
20km/h時のエンジン回転数を1500rpm、アイドリング時のエンジン回転数を650rpmとするなら、こ
の 1時間のエンジン回転数累計は1500rpm×15min+650rpm×45min=51750rounds
累計5万1750回転で1500rpmの稼動をすれば、51750rounds÷1500rpm=34.5min、34分半の間巡
航できます。
時速20kmで34分半の間巡航したなら、20km/h×(34.5min÷60min)≒11.5km、11.5キロの距離を移
動します。
つまり、ギアは5kmしか稼動しませんが、エンジンはその2倍以上の距離を稼動したのと同じ(※)な
んです。
しかも!
渋滞中の流れが速ければ、この差は更に大きくなります。
5kmを40km/hくらいで巡航し、残りの時間をアイドリングしていたと仮定するなら、 ギアは5kmしか
稼動しませんが、エンジンはその5倍近くの距離を稼動したのと同じ(※)になります。
※ 厳密にはモチロン同じではありません。 アイドリングと走行では、摺動部の負荷も燃焼生成物の量も異なります。
以上の例からも判る通り、エンジンオイルのホントウの累積負荷は、走行距離では判別できません。
だから、安全率を掛けて短い期間を交換サイクルに定めているのです。
もし、使用状況が、毎週末に「空いた&信号の少ない道路を片道10km走って帰ってくるだけの使用」
なら、年間の走行距離は10×2×(365÷7)=1043kmにしかなりません。
これで5000kmの交換サイクルを待てば、5年間が経過してしまいます。
では、この使い方なら5年間無交換でも大丈夫なのか?
大丈夫です。
ギアオイルは、まさしく、そういう交換スパンで使われているからです。
エンジンオイルにしろギアオイルにしろ本来は稼動状況が
交換サイクルを決めます。
3万キロごとの交換で何の問題も無い稼動状況もあれば、3千キロごとの交換でもヤヴァイ稼動状況
もあります。
ただ、日本国内の、ましてや都心周辺や住宅街周辺において、3万キロ無交換が許される稼動状況
を維持するのはほぼ不可能でしょう。
外車が生産国で2万キロ毎の交換スパンだからといって、それをそのまま日本に適用するとエンジン
を痛めかねません。
あくまで生産国と同じような稼動状況で使用するなら、2万キロも3万キロも無交換で走れるというだ
けの話です。
エンジンのホントウの累積負荷は分からない and 一般のユーザーに稼動状況を見極めさせるのは
無理。 だから、あくまで目安として「半年ごと or 5000キロごと」や「半年ごと or 1万キロごと」などの
交換サイクルが指定されているのです。
エンジンの稼動状況をしっかり見極めることができるなら、1年後に交換しても2年後に交換しても構
いません。
できないからメーカー指定。 それが真実なのです。
ちなみに余談ですが。
親父の知人に某零細企業のシャチョサンが居るのですが、その方は、家から1キロと離れていない
会社へクルマで通い、昼食をその会社から数百メートルしか離れていない喫茶店へクルマで移動して
食べるんです。 この人は、ゴルフ場へ通うのに自分のクルマを使いません。 墓参りもしません。
ですから、そのクルマのオドメーターが刻まれるのは、毎日僅か3キロずつ程度。 水温も油温も全く
適正値に達することなく日々の稼動が終わります。
実は、こーゆー使い方がエンジンオイルにとって最低最悪の稼動条件なんです。
なんせ冷間稼動においては、燃焼で生成された水分や、過濃混合気で稼動させるためにインジェクタ
ーから過剰に吹かれたガソリンがブローバイガスに混じってオイルパンへ入り込むのですが、水温も油
温も適正値まで上がらないチョイ乗りの繰り返しでは、この水とガソリンがオイルから蒸発できません。
結果、エンジンオイルの乳化などの劣化因子を増大させ、極めて短期間にオイルが駄目になってしま
います。
正直な話、あの人のクルマに関して言えば、3000km毎の交換でも遅すぎます。
量販カー用品店のPOPにある「3000kmもしくは半年のどちらか早い方」という表記は、こーゆーユー
ザーの為にあるんでしょうね。
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