更新の際に構造を変える事があります。 構造を変えるとアドレスが一から再配分されますので
ブックマーク等でお気に入りのページに飛んだ際に、目的と違うページが表示されることがあります。
その場合は画面一番下の [ TOP ] からトップページへ移動して、トップページから
目的のページへ移動してください。 お手数ですがよろしくお願いいたします。


サスペンション

前下がりのセットアップ
【問】リアよりもフロントを多くローダウンさせるとアンダーステア傾向が弱まります。 何故?
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
【答】これもロワアームのアンチロールジオメトリで(幾何学が分かる人なら、このサイトの説明が御理解頂けると思 いますGOLF4小技紹介足回り編3.ショック+バネ理解できます。

 拙稿『荷重移動についてもう少しだけ詳しい話 vol.4』で説明した通り、前方から(もしくは後方から) 見て“ハ”の字になっているロワアームはロールを抑制する効果を発揮し、前方から(もしくは後方から) 見て“逆ハ”の字になっているロワアームはロールを促進する効果を発揮します。
 自動車メーカーは、ノーマルの状態で最適なジオメトリになるようにサスペンションを設計しています から、ローダウンすればするほど前方から(もしくは後方から)見て“ハ”の字になっているロワアームが “逆ハ”の字へと変化し、発揮されるアンチロールジオメトリの効果が弱くなります。
 つまり、ローダウンすればするほどロール剛性が低くなるわけです。

 ということは、フロントサスペンションをリアサスペンションよりも低くすると、 [ フロントサスペンション のロール剛性の低下 ] > [ リアサスペンションのロール剛性の低下 ] となります。

 拙稿『荷重移動についてもう少しだけ詳しい話 vol.6』および『スタビライザーの強化』で説明した通 り、前後でロール剛性が異なるとロール剛性の高い側に荷重移動が偏ります。
 拙稿『左右輪間で荷重移動しても両輪の生む摩擦力は同じでは?』で説明した通り、横方向に荷重 移動すると(スリックのようなタイヤを除いて)普通のタイヤは左右輪のグリップ力合計が小さくなりま す。
 フロントサスペンションをリアサスペンションよりも低くすると、左右方向の荷重移動量の多くがロール 剛性の高い(=ローダウンに伴うロール剛性の低下が少ない)リアに偏ります。
 その結果、リア左右輪が生み出すグリップ力が小さくなります。
 アンダーステア/オーバーステアは重心位置と前後輪の求心力差よって決まりますから、リア左右輪 が生み出すグリップ力が小さくなるとアンダーステア傾向が弱まる…これが前下がりのセッティングが アンダーステア対策になるカラクリです。

 ただし、必ずしも前下がりのセッテイングがアンダーステア対策になるとは限りません。
 ローダウン状態で1Gのアライメント数値を適正にしておいても、サスペンションの伸縮に伴って生じる アライメント変化は不適正になります
 この所為でタイヤの接地面圧が偏ってグリップ力が発揮できなくなるとタイヤの求心力が下がりま す。
 ですから、必ずしも「前下がりのセッティングにすればアンダーステア傾向が弱まる」と決まっているわ けではなく、前下がりのセッティングによって
  [ 荷重移動がリアへ偏る → リアタイヤの求心力が下がる→アンダーステア傾向が弱くなる ] 
   と
  [ フロントタイヤのアライメント変化が不適切になる → フロントタイヤの求心力が下がる → アンダー ステア傾向が強まる ] 
 のどちらの影響が強いかによって前下がりのセッティングがアンダーステア傾向を弱めたり強めたり するワケです。


トップへ
戻る
前へ
次へ